2019年5月11日土曜日

今日の新聞を読んで(249):他人事でない築30,40年のマンション管理をどうするか


私も東京では築10年目のマンション住まいだが、これから30年、40年と経つマンションが抱えている問題は決して他人事ではない。10年過ぎればいろんなところに不具合が発生する。区分所有者は今から自分の資産を維持するために所有者としての責任を果たすべきだ。

その大きな問題を抱えているのがリゾートマンションらしい。昔、上越新幹線の長いトンネルを出るとマンションが林立する越後湯沢につく。いわゆるリゾートマンションだ。東京から週末に遊びを兼ねて泊まり来ることもできる。ガーラ湯沢は駅を出るとスキー場だ。また、湯沢から東京へ通勤することもできる。確か最終便で越後湯沢止まりがあったはずだ。東京で家を建てるより安いとも言っていた。

見ているだけでも「うらやましい気」になったものだが、そのうちにマンションの経営難が出てきた。理事長が積立金を横領して大規模修繕ができなかったり、空き家の続出で管理費、修繕積立に支障をきたし出したのだ。

そして今日の朝日新聞(2019.5.10)「マンション解体 いばら道」で築40年を超すと空き室続出、所有者不明、そして解体できるかどうかが問題になる。そのためには所有者の同意を取るなど管理会社と管理組合が協力して対応に当たった苦労話が載っていた。

他人事ではないのだ。築10年たっても2回目の大規模修繕では予算不足がつきものだし、10年過ぎると設計、施工上の不具合で各所に支障が出てくる。区分所有者が喜ぶ特異な設計のエントランスも資産価値がマイナス評価になる。

今は若いがだんだん年齢がかさむとバリアフリー、車いすでの生活などに対応できているかどうか、防滑管理が問題になる。

2回目の大規模修繕での予算不足は、早く対応した方が良いに決まっているが、管理会社は右肩上がりの財務表を提示して説明するが、今までどのような予算の削減がなされていたか問うても返事がない。だんまりだ。担当者は財務表をオーム返しするだけで知らない。

経費削減を今からやっていかなければならないと考え総会で「経費削減検討委員会」を設置しメンバーを公募する案を提案したが、たった1人が応募しただけで、事務局が管理会社と言うことで参加しなかった。当然に管理組合がやるべきなのだ。

それでも何とかしなければと思い、以前から気になっていた清掃作業の女性を辞めると年間100万円の節約になることを提案した。さらに管理会社を変えると年間100万円の節約になる。管理会社を変えることには組合員の抵抗もあるが大規模修繕費の予算不足では管理会社を切るしかないのではないか。

管理組合が四苦八苦しているのに管理会社だけ「われ関せず」では片手落ちだ。犠牲になってもらう必要も出てくる。

管理会社の適否も今から考えていかなければならない。

管理会社の担当者、管理者に能力があるかどうかだ。管理契約では「善管注意義務」を持って管理に当たるという。でも私たちが指摘できる不具合を見落としている管理なんて専門家と言えるのか。間違っていれば謝罪、反省すべきだがやらない。だから進歩がないし、管理の改善ができない。

どうでもいいことはペラペラしゃべるが肝心なことになるとダンマリ戦術で何も言わない。自分たちの不利なことを会社に帰って報告しているのか。

会社の組織、陣容がわからない。説明しろと言っても説明しない。だからどういう体制でマンション管理をやっているのかわからない。他の管理会社はしっかりした組織表を示し役割分担を説明する。

陣容も他の管理会社に比べて少ない(例えば半分の陣容)。少数精鋭でやっているのかと思ったが「手抜きの管理」のようだ。担当者が自分の能力の範囲内で仕事をしているレベルの低さが目立つ。

若い世代の入居者が多い場合、経験不足の理事や理事長が順番で理事会を構成する。だから何をしていいかわからず、必然的に管理会社の提案する議題、管理会社の都合のいい理事会運用になり、理事たちはただ定足数を満たすための出席になっていないか。

こんな理事会ではだめなので、理事の一人にマンション管理の専門家を選任してはどうか。そうすると専門家のアドバイスで適正なマンション管理もできるだろうし、管理会社の恣意的運用をけん制することもできる。

管理会社の仕事は管理組合に対して背信行為になったり、予算、決算、会計監査のやり方では詐欺、横領が疑われることをしっかり認識すべきである。

最近、大手の管理会社が管理費の横領事件を起こした。理由は印鑑や銀行口座を担当者が一人で管理していたという。これは管理契約に違反するし、管理組合の責任も大きい。

節目、節目に専門の機関に会計監査を依頼してはどうか。それが理事会の管理組合員への責任を果たすことにもなるのだ。

マンションの設計、施工上問題を抱えているとそれが顕在化した時の対応が大変になる。首都直下地震の切迫性も迫っている。構造上問題があれば今からしっかりした機関に検証を依頼しておくべきだ。

30,40年経過したマンションの管理に対して管理組合が主導で今から対応しておくべきではないか。管理会社に問題があれば今から変更することも考えるべきだ。

いろんなことを考えると、自分の資産は自分たちで守るしかない。

関連記事
2019.1.30掲載
今日の新聞を読んで(211):不祥事に甘い経営風土、大京アステージの社員の管理費横領
yamotojaoan.blogspot.com/2019/01/log-post_30.html

0 件のコメント: