分かってはいるんだけれど、実際にそういう事態に直面した時に判断を狂わすのだ。上流で降った雨が時間差で下流で堤防決壊で河川周辺で浸水被害が出る。また非常事態が発生しても自分のところは安全だろうという危機感を衰えさせる「正常性バイアス」という思い込みが働き人的被害が増えることが今日の新聞で読める。
日本の河川は短い。山間部で降った雨は支流からの雨を集め下流の河川の水位を上げ海に出る。支流と合流する箇所では本流の水が支流に流れ込むバックウォーター現象を起こし、支流合流点付近で堤防が決壊する。
下流では雨も上がりホッとしていたところに濁流が押し寄せ堤防の弱い箇所で決壊する。被災者も「わかってはいたがこんなことになるとは」と驚く。
夏、河川でキャンプをしていた時に雷がゴロゴロなるが真上は晴れていると思っていたら、突然に濁流が押し寄せる事故が頻繁に起こっていた。専門家も自分にいるところは晴れていても上流では局所的に雨が降っていたのだと注意を喚起する。
そしてもう一つは、「正常性バイアス」という思い込みが働くのだそうだ。非常事態が発生していても自分のところは大丈夫だろうという思い込みだ。そのため避難せずに救出される羽目になる。
こういったことは皆知っているはずだ。ハザードマップも作成され配布されているが生かせなかった。自治体の職員も避難指示、勧告を出せば従ってくれるものと思い込んでいた。
いろんな思い込みが働いて「いのちを守る行動を」「危険だから外出は控えろ」「早めの避難を」と繰り返し報道されるが人的被害はすくなくならない。
子どもは学校で防災教育を学び、「早く避難しようよ」と言っても親が「チョッと待て、大丈夫だろう」というシーンも考えられる。大人にも何らかの形で防災教育を徹底すべきではないか。資料で配布しても「わかっている」と反故にするケースはないか。
台風19号は私たちにいろんなことを教えてくれた。防災教育に役立つ事案だ。
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