2019年10月24日木曜日

議員の質問「事前通告」:何事だ!「遅れた」、「漏れた」、「答弁できない」とは


国民民主の森議員の質問「事前通告」に関して、「提出が遅れた」「第三者に漏れた」と騒ぎになっている。おまけに「事前通告がなかったので」と国会審議で安倍総理や担当大臣が答弁拒否する事例が多くなっている。どうしたことだ。

森議員の事前通告に関しては「提出が遅れた」。よりにもよって台風接近で大変な時で官僚は対応に苦労したという。でも本人は「遅れていない」と言う。おまけに国会質問する前に「第三者に内容が漏れた」と問題にしだした。

「質問権の侵害」「国会での発言の自由」を害する重大な民主主義への挑戦だと言い、国会で追及するという。

新聞報道によると、森議員の質問事項が内閣府にわたり内閣府の担当者が当日出席を要求されていた国家戦略特区のワ-キンググループの座長代理の原さんにメールを送ったらしい。それが大学教授である高橋洋一さんにわたり、高橋さんがネットメデイアでばらしたために公になったらしい。

国会での質問に北村大臣は「ないと確信しているが責任が生じた時は責任を取る」と言明した。

一体どんな内容の事前通告だったのか確かめようとネットで検索してみたが、わからなかった。漏出が問題になっているのだからメデイアもわかってはいるが言及しないのだろう。

考えてみるに「質問の事前通告」はどういうものなのか。慣習的制度ではなかったのか。小沢さんが国会改革で大臣に質問しても説明できないので担当官僚に答弁させることがまかり通っていたのを改善するために担当大臣が答弁するように改革した。

その時に質問に対しては事前に提出させ、担当官僚が答弁書を作成、それに基づきあらかじめ大臣にレクチャーするが国会審議では大臣がペーパーの棒読みを始めた。

だから、事前通告がなかった質問に対しては安倍総理自ら「事前通告がなかったので答弁を控える」と言いだした。だから他の大臣だって急に質問されても答弁ができないので「答弁拒否」はいい抗弁になる。

逆に担当大臣が所管の事項について「答弁できない」ことに問題があるのではないか。今何が自分の担当所管で問題になっているかを知っていれば、「いつ、どこで」聞かれても大まかなことは答弁できるのではないか。さらに追及が細かくなると「後日に回答する」でいいのではないか。

こんなこともあった。大臣の棒読みが通例となった審議である大臣が「私にはわからないので担当官僚に代わって応えさせましょうか」と言う意味の答弁して顰蹙を買った大臣がいたが、これでいいのではないか。

国会審議は政策を論争する場であって担当大臣が答弁できなかったことを公にして資質を問う場ではないはずだ。

一層のこと、以前のやり方に戻したらどうか。委員会に担当官僚も参考人で出席させ、大臣が答えにくいところがあれば代わって答弁させ国会審議を促進し政策論争の場に戻すのだ。

小沢さんの目指した国会改革も自分は大臣にはならないのだから国会で「答弁で立ち往生」することはないと考えてのことだったのではないか。

自民党の内閣改造でもわかる通り大臣の資質を持った人材は乏しくなっている。ベテラン議員も棒読みで楽をしている。麻生さんのように自分の考えを入れると失言、暴言になり後で撤回しなければならない羽目になる。

審議で野党からもいろんな指摘、提案があればそれを取り入れる政策論争の場にしなければならないが、ペーパーの棒読みではその余地が全くない。官僚に「やらせ」をやらされているのだ。

国会議員の「質問権」、大臣の「事前通告ナシで答弁拒否」を言う前に国会審議の在り方を見直したらどうか。


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