2019年10月24日木曜日

ゴーン前会長vs日産・検察:日産・検察に分が悪くても「ゴーン追放」はできた


日産のゴーン前会長追放劇も法的にいろいろあり日産・検察に分が悪いと思われる事態になって来たようにも思えるが、結果として「ゴーン追放」には成功し一応の成果はあったのではないか。これからどう法廷闘争を繰り返すかわからないが、地裁では決着がつかず高裁、最高裁へと長期の審理は続くのではないか。

日産・検察が司法取引までしてゴーン会長の「経営者特有の不正行為」とまで指摘された金融商品取引法、会社法違反の審理が来春から始まると言われているが、新聞報道では弁護団が「すべて無罪を主張」という書面を地裁に提出したという。

そりゃそうだろう。弁護士は被告人の刑を軽くして報酬を得る仕事だ。被告人の無罪を主張するのはわかるが、弁護人自身も本当にゴーン善会長のような不正行為を認めているのか。日本人の感覚でいうと異常だがグローバル化の経営では当然と思っているのか。

更に日産外国人執行役員、元秘書室長が検察と司法取引をしてゴーン前会長の不正行為を暴露したことは「ゴーン追放が目的」とも言われている。その不正追及の先頭に立っていた西川さんもゴーン同罪の疑いが出てきて社長を辞任する羽目になった。うすうすとはわかっていたことだが、何故ゴーン前会長の不正行為を防止できなかったのか。ゴーン前会長に引き立てられての出世は疑惑を確かなものにした。

おまけに日産、三菱のほかにルノー本社にもゴーン前会長の不正がみつかり検察に告発されている。

次々に明らかになるゴーン前会長の不正行為で、すべての役職を辞任させられる羽目になった。ここで一応はゴーン追放の目的は達成したのではないか。手続き上どういう責任回避ができるかわからないが、短期間に日産を再建した(?)カリスマ経営者を追放できたのだ。

ゴーン前会長も今回の事件は虚偽記載や会社法違反より「ゴーン追放が目的」と主張するだろうし、ゴーン前会長にしてみればすべて社内的手続きをクリアーしているし、資金の移動もすべて業績に基づく対応で違法性はないと主張するのだろう。「違法性の意思」は全くなかったということだ。

双方が勝っても負けても高裁、最高裁と審理が続く可能性がある。弁護士は仕事が続くのでいいとしても、業績が悪くなっている日産は再建を急がなければならない。いつまでも負の遺産を引っ張って行ってはイメージが悪い。ゴーンさんも同様だ。

そのうちに風化され裁判の経過が報道されるたびに「そんなことがあったのか」と思い出すことになるのか。

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