2019年10月20日日曜日

国民投票の過半数の恐ろしさ?:ジョンソン政権vs英議会vsEUで迷走する英のEU離脱

直接民主主義である国民投票の僅差の過半数判定の恐ろしさを示しているのが、今の英のEU離脱ではないか。ジョンソン政権vs英議会vsEUの三つ巴の迷走が続いている。日本も他人事ではない。憲法改正の国民投票は賛否を過半数で評価することになっている。英国の今の状況を参考にすべきだ。

議会制民主主義の模範国(?)と言われて日本からも国会議員が視察に訪れている英国だが、何故、国民投票で決まったことが議会で守られないのか。

メイ首相の後を受けてジョンソン首相もEU離脱をめざしEUと協定案を作り英国議会に提案したが、逆に先送り法案が提出され、新聞報道では先送り賛成322票vs反対306票で離脱先送りが決まった。「合意なき離脱」を防止するためらしいがジョンソン首相は10月末の離脱を目指す。

ジョンソン政権にしてみればEUとの協定にこぎつけ議会も賛成すると思っていたのだろう。議会は「合意なき離脱」を防止するために先送りを決めた。一方、EUは「早く離脱しろ」ということだろう。今回はジョンソン政権と議会の問題とみているのだろう。モタモタしていると次の離脱に続く国も出てくる。それだけは回避したいだろう。

一方、国民はどうか。報道によるとEU残留を願っているようだ。「再度国民投票を」という動きもあるが、みっともないことだが、今回はメリット、デメリットがはっきりしてきたのでもし国民投票をやると先の国民投票とは違った結果が出る可能性もある。

先の国民投票では、EU離脱賛成52%vs残留48%だった。今回の英国議会の結果は先送り賛成322票、反対306票で、先送り賛成51%vs反対49%で国民投票の結果と真逆の結果になった。

十分な情報提供もなくやった国民投票だったが、「やってしまった」という英国民の本音が見えていた。

多数決での国民投票が本当に直接民主主義に役立つのか、疑問がわいてくる。

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