イスラム国の最高指導者バグダティ容疑者が米軍特殊部隊の軍事作戦で死亡したニュースが昨夜駆け巡った。過激派指導者の最後は例にもれず哀れなものだったようだが、世界の安全確保は目的は別のところにあったとしても、やっぱり米国頼みであることは明らかだ。
ニュースによると、トルコに逃げる途中でシリア国境の隠れ家にいたところを米軍の特殊部隊が急襲し、隠れ家のトンネルの中で軍用犬に追い詰められ子供3人と自爆したという。
バグダテイ容疑者拘束殺害はイスラム国テロ組織の壊滅の国家安全保障の最優先課題と言われていたらしい。これを受けトランプ大統領は「世界はより安全な場所になった」と宣言した。
イスラム国は世界で残忍な事件を起こした。チュニジアの博物館テロ、パリの劇場テロ、ブリュッセル空港、地下鉄テロ、最近ではスリランカのコロンボ・テロが挙げられる。日本人2人が拘束され殺害された事件もある。
この最高指導者殺害は、その背景にシリア北部からの米軍撤退に批判されていたトランプ大統領が撤退を正当化したいことと、来年の大統領選でウクライナ疑惑で下院の弾劾調査を受ける羽目になりピンチを切り抜けるためにこの作戦行動に出たという見方があるが、当然だろう。
しかし、過激な指導者の最後は哀れだったようだ。新聞報道によると、犬のように、臆病者のように泣き叫びながら悲鳴を上げながら3人の子供を道連れにしたらしい。自分は「殺されるかもしれない」と怯えてもいたそうだ。
こういう作戦は情報収集が大事だ。容疑者の行動を逐次把握する必要がある。協力者の情報、携帯電話での傍聴などがあるが、今回は親族の情報が役立ったようだ。
さらに、アルカイダのビン=ラーディン襲撃もすごかった。アルカイダはアメリカを標的にテロを繰り返した。アメリカン航空、ユナイテッド航空のハイジャック、ワ-ルドトレードセンター、ペンタゴンへ航空機を突っ込み大惨事を起こした。
アメリカのテロとのグローバル戦争はアフガニスタン、イラク、シリアの内戦へと波及した。
米軍な深夜に緻密な作戦を実行、短時間に殺害を成功させたという。この時も提供された情報が貴重だった。
そして、イラクのフセイン元大統領だ。隣国のイラン、クウェートに油田を狙って侵攻、湾岸戦争勃発した。イラン、イラク戦争では毒ガス化学兵器をしよう10万人が犠牲になったと言われているが大量化学兵器一掃のためにアメリカ、イギリスなどが査察を行ったが、イラクは情報の提供をせず査察に先回りして隠ぺいをやったとみられていた。
国連はもう少し調査が必要と訴えていたがアメリカは隠し持っていることは確かだと査察を強行した。フセインは逃げまどい最後は地下豪に隠れていたところを米軍に確保された。
その後裁判にかけられ死刑判決後短時間で執行された。その時の映像が確か公開されたはずで記憶がある。拘置所ではフセインは「死刑になる恐怖」で怯えていたそうだ。
後になってわかったことだが、化学兵器はもっていなかったようだ。十分な調査もせずに査察を強行したアメリカの当時の大統領に批判が集中した。フセインがいなくなるとこの周辺国の安定が崩れ大変なことになるという見方があったが、その通りになった。
国内で大きな人権問題を抱えているのは北朝鮮、中国はどうか。
ペンス副大統領は「中国は経済、軍事でより挑発的になっている」と言い、「陸、海、空で米国の優位を侵食しようとしている」と中国を批判した。
香港に対しては「私たちは香港の人々と共にある」を香港を支持、ウルガイ自治区のイスラム教徒拘束、アフリカ、中東への監視技術の輸出、南シナ海の軍事拠点化、台湾の民主主義評価、一帯一路の借金漬けを批判、「尖閣諸島は日本の施政下にある」を日本を支持する演説をやっている。
中国が抱える大きな人権問題、世界的に展開している軍事化に警告を発している。アメリカと中国が軍事的に対決することはないだろうが、習政権には警戒が必要だ。
北朝鮮の金体制も問題だ。国内ではひどい人権侵害が横行している。核ミサイル開発は近隣諸国のみならずアメリカも標的の範囲に入った。米朝会談でも北の要求は「金体制の維持」があるが金体制維持では近隣諸国の安全は保てない。
金委員長もわが身の安全を考えているようだが、それにはトランプ大統領との友好関係が重要になる。米朝会談は順調には進まず、北はアメリカに対して挑発を繰り返している。それでもトランプ大統領とのパイプを保っていれば「わが身は安全」と思っているのだろう。
アメリカのトランプ大統領も「アメリカ第一」を掲げ外交を展開し問題もあるが、いまだ世界の安全はアメリカ頼みだ。紛争地からアメリカ軍の撤退も考えているようだがどうなるか。
世界の警察官であるためには費用も掛かる。同盟国に費用の分担を要求しているが、今のようなトランプ外交では同盟国の結束を壊しかねない。その間隙をぬって中国、ロシアが勢力拡大を図っていることを忘れてはいけない。
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