2019年10月12日土曜日

パウエル・FRB議長、トランプ大統領の「更なる金融政策」要求にはかない抵抗か


トランプ大統領は自らが撒いた米中貿易摩擦などが要因になり世界経済の景気下降局面で米国の景気対策に「利下げ」や更なる量的緩和策を要求されていたが、パウエル議長は短期金利の上昇などから市場へ資金を流す資金供給拡大策の方針を表明した。

しかし、世界金融危機後の大規模な資産購入策とは違うことに念を押した。トランプ大統領の要望に応じたわけではないことを強調し、中央銀行の独立性を確保する姿勢をにじませた。

リーマンショック後の量的緩和で市場に資金を流し、引き締め後金融政策の正常化を目指し資産の縮小を続けたが、ここに来て短期金利の上昇で「利下げ」に踏み切ると見られていた。

でも、トランプ大統領に屈した姿勢は見せたくなかったのだ。

一方、日銀はどうか。安倍総理にべったりで物価上昇2%達成まで量的緩和を続けるらしいが更なる金融政策も手詰まり状態だ。「いざというときは躊躇なく処置する」と威勢の言いことを言うが策はなさそう。

米中貿易摩擦は対立が激化する中で米中貿易協議の動きが出てきた。トランプ大統領は「中国は合意したがっている」「中国の副首相と会う」と情報を流しているが、歩み寄りができなければ更に深刻なことになる。

今回の国会での予算委員会を見ても、新聞報道では経済対策の質疑が載っていない。新閣僚のスキャンダルが話題になっているが、日米貿易交渉、消費税増税、量的緩和、日銀と政府の考え方、出口戦略、景気対策の「躊躇なく措置する」政策は何なんだ。スキャンダル追求も政治資金規正法や大臣の資質に関する事項で大事なことは分かるが、国民の優先順位は雇用、経済対策だ。

日銀も安倍政権に負けない気構えで金融政策を実施してほしい。黒田総裁や安倍総理が辞任したときにその政策の是非を論じるのは遅すぎる。

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