2019年10月9日水曜日

IMFも警告する危ない中国経済:トランプ大統領、習主席は世界経済危機を回避できるのか


新聞報道によると中国経済が危なくなって来た。米中貿易摩擦に続き中国経済の悪化、更には米国のEUへの関税闘争で世界経済はますます悪化が予想されるがトランプ大統領や習主席は世界経済の危機を回避することができるのか。

自分や自国のためだけにGDP世界1位、2位の国がいがみ合っていてどうするのか。アメリカは巨大な市場、軍事力を背景にけん制し譲歩を狙う。中国は肝心なところでは「発展途上の大国」といいながら米国に代わる覇権を目指している。

最近の新聞報道で「中国経済が危ない」とIMFが警告した内容が報道された。

債務と対GDP比

超過債務
GDP
対GDP比
IMF勧告
 中  国
3700兆円
1420兆円
 260%
危険な状況
 日  本
約550兆円
1050兆円
約200%
財政赤字を対GDP比3%以内に
      (註)中国のGDPがはっきりはわからないが計算するとこの程
         度
         日本も対GDP比200%を超えていたが、GDP計算見
直しなどでこの程度か

日本も先進国一悪い状況と指摘されていたが、中国の内容はひどい。IMFが危険な状況としてきしているのも納得だ。

ところが日本経済を参考にMMT理論が出てきた。自国通貨の発行権を持っている国はインフレの危険が出るまでは財政出動しても構わない。インフレが出てきたら、その時に金融政策を取ればいいというのだ。「どの程度のインフレか」については何も言わない。MMT理論は日本より中国のためにあるのか。

中国と言うと、リーマンショック後4兆元(約60兆円)の投資をして世界経済をリードしてきた記憶はあるが、その結果設備投資は過剰になり、大量の在庫になった鉄鋼製品は輸出でダンピングし、世界の市場を荒らしている。2008年の債務は対GDP比で140%だった。

一方で、アメリカの世界戦略の隙間を狙って覇権拡大に余念がない。新興国では経済支援を受けているがIMFやEUは財政健全化を要求、国内経済の沈滞で財政支援を中国に依頼する。

一帯一路構想は海の要所要所に経済支援し港湾でのインフラ整備に見せて中国の軍港化が進む。一方、「債務のワナ」が目立ってくると計画の中止で頓挫する。

軍備拡張、宇宙計画、知的財産権、国有企業への優遇策は米国を刺激する。アメリカを脅かすほどになっているのだ。

トランプ大統領も「中国にアメリカの利益を食われている」と貿易のアンバランス解消のために米中貿易摩擦で高関税の掛け合い合戦の状況で、第4弾にまで拡大した。中国も報復処置で応じる。

その結果は世界各国に影響が出てきたようだが、アメリカ、中国国内でも経済停滞も見えてきた。

最近の新聞報道を見ると、トランプ大統領が中国企業への投資の規制強化で中国を揺さぶっている。中国に156社時価総額は129兆円になるという。金融市場は大揺れだ。

EUに対して8000億円分の追加関税で米欧と対立している。問題の発端はエアバス社への補助金で米企業に被害を与えたというのだ。WTOにも訴えWTOは補助金はルール違反と認定しアメリカ勝利だ。今度は鉄鋼、アルミへの追加関税発効を目論んでいる。EUも対抗措置を取るらしいがEU委員会は「報復の応酬は世界貿易を損なうだけ」と警告する。世界の貿易量は2019年には2.6%から1.2%になるとみられている。

米国の失業率は3.6%と5年ぶりの低水準というが雇用は13万人増で目標の20万人増には達していない。

IMFの世界見通しが出たが、「世界各地で経済成長の減速が同時に起こっている」と言う。ユーロ圏の経済停滞、中国の急成長にブレーキ、インド、ブラジルなど新興国は一層深刻になっていると言い、米中貿易摩擦で20年はGDPで0.8%分損失、金額にして75兆円分だと発表した。

今はまだ経済成長減速の段階だがいつ大変な状況になるか。その前にトランプ大統領は高関税戦争をどう収拾することができるか。中国はおそらく米大統領選まで様子見だろうが、IMFの「危険な危険な状況」にどう対応するのか。

両首脳の出口戦略が見えないところに市場が混乱している。GDP世界1位、2位の対所区の矜持があるのか。それとも質の悪いリーダーなのか。

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