2020年1月6日月曜日

ゴーン容疑者の密出国を考える(1):日本からの密出国は主権侵害の最大の犯罪

ゴーン容疑者の保釈条件に反した密出国は日本の主権を侵害し、最大の犯罪であり、日本の法律に反するばかりか、どの国でも問題になる出入国管理に反するのだ。会社法、金融商品取締法違反はその成立条件を立証するにはハードルが高い場合があるが、密出国は誰にでもわかる犯罪だ。

「公平な裁判をレバノンで受けたい」「人権侵害、有罪ありきの裁判」で危機感を持ち密出国したが逆に世界中から注目されることになった。

これほどの密出国は長い間専門家が練りに練り、その成功の確立が非常に高い場合に決行されるはずで、日本の出入国管理のルーズな点を把握しての決行だったのではないか。

テレビや新聞の情報によると保釈条件に反するのみならず、あらゆる面で凡ミスが明らかになっている。

裁判所はケース入りのパスポートを持つことを許した。裁判官は世界中から「人質司法」の批判を浴び、無罪請負人の異名を取る弁護士からの数々の要求に屈しての保釈だった。また大きな問題は出国時の検査がルーズだったことだ。民間会社に業務委託しているとはいえ管理のあいまいさが目立った。まともに検査していればここで密出国を阻止できたはずだ。この状況を計画した人間は熟知していたのだ。

そして難なく(?)レバノンに正式入国できたという。入国時にはレバノンの高官が出迎えたというし、大統領とも会見したという。これじゃ背後でレバノン政府が何らかの役割を果たしていたことは明らかだ。事前にレバノン政府も知っていたのだ。

でもゴーン被告もレバノンが安住の地ではなさそうだ。金持ちで権力者とつるんでいれば何でもできることに若者たちは反旗を翻している。決してゴーン被告が自由に歩き回ることができる国ではないのだ。

日産を再建したとしてゴーン容疑者が国内で評価されているというが、日本からの出国が密出国であることは誰が聴いてもわかりやすい犯罪者になった。決して「逃げ得」な結果ではない。日本に入国し日本の裁判所で裁判され服役しなければクリアーできないのだ。

日本で犯した犯罪だ。日本の裁判に託すべきで、レバノンなど関係ない。それとも一生、密出国者のレッテルを張られた人生を送るのか。

既に社会的制裁は受けている。再び経営者として役目を果たす機会などないはずだ。






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