政権vs中央銀行は日米共通で政権のごり押しが中央銀行の金融政策正常化を狂わせている。こんな状況が続くと本当に不況がやってきたときの政策手段があるのか。FRB・パウエル議長をヤジるトランプ大統領、安倍総理を忖度し動けない日銀・黒田は本当に大丈夫なのか。
世界中で何が起きるかわからない。そのたびに世界経済が大きく影響を受け、国内経済の景気下降リスクを回避するために各国中央銀行は金融政策で維持しようとするが、政権の意向もあり中央銀行の思い通りにはいかない。
手つまり状態では次に本当に不況が訪れた時には打つ手がないのではないかと警告する。
トランプ大統領は貿易赤字解消のため米中貿易摩擦を起こし、米国経済が下降の恐れが出てFRBに対して利下げを要求、パウエル議長は中央銀行の独立性を守るために政権とは距離を置き小出しの金融政策をとるが、トランプ大統領はさらなる利下げを要求、「首にする」など汚くののしる結果、利下げをするも更なる利下げには抵抗する。
FRBの仕事は「雇用の最大化」がテーマで20万人の雇用増が判断基準になる。雇用数は上下するが国内経済は良好で更なる利下げは避けたが、トランプ大統領は長期的に低金利を要求しているのだ。
日本でも同じことだ。
安倍総理は異次元の金融緩和を掲げ、リフレ派(?)の黒田総裁を採用、黒田総裁は「2年で2%」と威勢のいい目標を掲げたが、6年たっても未達が続く。専門家も物価2%は不可能と見ている。
物価上昇が見られず、金融緩和策もマイナス金利になったが銀行経営など副作用が出てきた。
最近の金融政策決定会合では「緩和維持」「現状維持」を掲げるがいざと言うときは「躊躇なく追加緩和」と市場の期待感を煽る。
しかし低金利を維持しても設備投資は増えず、専門家の間では企業は無借金経営だから低金利にしても効果はないという。
正直言って黒田総裁も困っているのではないか。言い出しっぺの安倍総理が緩和縮小に「ウン」と言わなければ日銀も動けない。政府はリフレ派の政策決定委委員を送り込んでいるので安倍総理を忖度すれば「現状維持」だ。
国会審議でも「どうなるんだ」との野党の質問に、安倍総理は「物価2%達成を目指すが、いつまでもこのままと言うわけにはいかないので自分に任期中に方向性を出す」というが「実務は黒田総裁に任せている」と言う。
誰が金融政策に責任を持つのか、政権側が人事権を握っているということは中央銀行の独立性などありえない。
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