2020年1月15日水曜日

ゴーン容疑者の「日本密出国」映画化:日本の関係者をあざ笑う内容で面白いか


テレビニュースで日本から密出国に成功したゴーン容疑者に映画化のオファーが舞い込んできているという。日本で数々の違法行為を残し「公平な裁判を受ける」ことのできるレバノンへ脱出した。「何を言うか」とあきれるが、考えてみると面白い。

日本の検察、裁判所、「無罪請負人」の異名を取る弁護団、空港での出入国管理担当者などをあざ笑う内容になるのではないか。それぞれのシーンでの関係者の会話に注目だが、007のように車や武器を使ったシーンはないだろうが、最後は空港で妻キャロルさんと抱き合うシーンで終わるか。

8日の鳴り物入りの記者会見では脱出法などの説明はなかった。「関係者に迷惑がかかる」という理由だが密出国自体が迷惑な話だ。ヤマハ楽器は楽器ケースの中に隠れることはやめるよう注意している。

新聞報道によると密出国は6か月ほど前から練られたようだ。元米軍人などアメリカ人、日本国内での支援者、プライベートゼット機所有会社、パイロット、空港職員など関係者は多義にわたる。

こんな連中と連絡を取りながらゴーン容疑者に情報を流す役目も必要だが保釈中監視されているゴーン容疑者は「私一人がやり、家族は関係ない」と妻の容疑を否定した。弁護団もこんな話が進んでいることなど知るはずがない。

ゴーン容疑者からは妻と会いたい、いつ会えるのか。「人質司法」で公平な裁判など受けられないと保釈を要求した。なかなか裁判所も保釈を認めないために人権派弁護団は厳しい保釈条件を練り裁判所に提出、裁判官は「無罪請負人」と言われる権威ある弁護団の言うことだからと渋々保釈を認めたのではないか。

ゴーン容疑者の保釈シーンに胸を張った弁護団の姿が映る。この辺の駆け引きも面白いだろう。

密出国当時は、ゴーン容疑者は一人で家をでる。同居している家族にもわからないように注意だ。ホテルの前に交番があるので遠回りする用心深さだ。それとゴーン容疑者の顔は知れ渡っている。帽子を深くかぶり、マスクする姿で周りの人間は気が付かなかったのか。常に誰かが監視しているだろうがどうやってかいくぐったのか。

ホテルを出て品川から新幹線で大阪へ、タクシーで関空へ向かい、用意していたホテルに入った。この間も誰にも感ずかれないとは不思議だ。

関空近くのホテルに立ち寄り用意していた楽器のケースにゴーン容疑者が潜むことになった。ゴーン容疑者と関係者がどんな会話をし、精神安定剤などを注射して長時間狭い箱の中で我慢する方法を使ったのか。この辺もシーンとしては面白い。

最高のシーンは楽器のケースに潜んだゴーン容疑者を出国手続きでスルーするシーンだ。アメリカ人関係者と出国審査の担当者間でどんな会話がなされたのか。レバノン政府の外交特権を利用したのか。それともルーズな出国審査がわかっていたので堂々とスルーできたのか。ゲートに迫りどんな会話があったのか。うまくゲートを通ることができたあとのシーンが見ものだ。

プライベートジェットに乗った後もどういうシーンが展開されるのか。ゴーン容疑者はまだケースからは出れないだろう。パイロットらと元アメリカ軍人との会話も面白そうだ。

トルコで別のプライベートジェットに乗り換えるときもトルコの入出国が問題になるだろう。日本の入出国がずさんだったというがトルコはどうだったのか。

そしてトルコを離陸したあと、ゴーン容疑者はやっと楽器ケースから出れたのか。その時どんな会話がなされたか。ゴーン容疑者はやっと希望する国で自由を得られる希望をどう表現するか。

レバノンではフランスのパスポートが使われ正式な入国だというが、本当か。フランスのパスポートを2通持ち、弁護団に預けていたが必要にあり1通をケースに入れカギを弁護士が預かっていた。まさかこんなところで使われるとは弁護団も知らなかっただろう。

どうやってカギを外し訳アリのパスポートではないように見せたのだ。ケースからカギを外すシーンも面白いか。

そしてタラップを降り、下で待つキャロル夫人と抱き合って再会できたことを喜び合う。例の007の最後のシーンに似せることができる。

そのシーン、「今レバノンに入る」のメッセージをテレビニュースで見て弁護団が「寝耳に水、知らなかった」と憔悴の顔を移す。「無罪請負人」から「出所・逃亡請負人」に変わった瞬間だ。

しかし、この映画化の話は無理だろう。この企画にもレバノン政府が釘をさすのではないか。何しろ日本の主権を侵害する事件だ。日本とレバノンの関係悪化を望まないのだ。

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2020.1.2掲載
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