2022年3月5日土曜日

今日の新聞を読んで(529):プーチンと対峙した前独首相・メルケルさんが現役だったら

 

本当にドイツ前首相・メルケルさんの引退は残念だ。今、ウクライナ侵攻でプーチン大統領に手を焼いている欧米政治にあって、プーチン大統領と果敢に対峙したメルケルさんが現役だったらどうなっているか。展開は違っていたかもしれない。 

政治の素人でもメルケルさんで思い出すのは、G20だったと思うが多国間協調路線に異を唱えるトランプ前大統領の席に向かい、翻意を促すメルケルさん尾姿だ。安倍さんは近くで腕を組んでみているだけだった。

さらに新型コロナ対策で外出や営業自粛を実施しなければならなくなったとき、「自由の大切さは東ドイツの経験から十分に分かっている」がそれでもコロナ対策では必要なのだと国民に訴えた姿だ。 

パフォーマンス、美辞麗句なしで今直面している事実を率直に伝えるメルケル政治に拍手を送りたい。 

読売新聞(2022.3.5)「五郎ワールド 「尊厳ある政治を求めて」の特別編集委員橋本さんの記事が目に留まった。

記事はメルケルさんがプーチンとどう向かい会ったかが解説されている。メルケルさんは東ドイツで物理学者だった。だから武器はファクト「事実」だと言い、プーチンは「常習的うそつき」と見抜いていた。だからプーチンの嘘を一つ一つ指摘しその責任はプーチンにあることを思い知らせたというのだ。

今、世界はプーチンのウクライナ侵攻に右往左往しているが、メルケルさんがいうようにプーチンの「嘘」だらけだ。しかも責任はウクライナ、EUなど米欧にあるという。自分のやっていることがロシア国民を守るためだというのだ。

又、多くの政治家がかかっている「わな」があるとも言う。それは「駆け引きに夢中で政治家同士で話し合いをしているというのだ。思い出すのは北方4島問題での安倍元総理とプーチンの関係だ。プーチンの手玉に取られて北方4島の返還どころか、経済支援を要求されている。2人だけの密室会談で何を約束させられたのか。

メルケルさんは実績重視を貫いたという。派手なパフォーマンス、美辞麗句は嫌ったのだ。多くの指導者は自らの政治基盤を強化するためのパフォーマンスが多い。フランスのマクロン大統領が仲介役を果たそうとしているが、改選を迎えての人気取りもあるようだ。プーチンはそのことを知っているのだろう。まともに相手にはしていない。 

そして、「尊厳ある政治」、倫理性の高い政治を求めていたという。難民受け入れが各国で反対されていた中で、メルケルさんは難民を受け入れた。後に国内で反対に会い政界引退にいたったが、「もしヨーロッパが難民問題で落第するようなら、我々がなりたいと望むヨーロッパではない」と宣言した。 

今、ウクライナ侵攻ですでに100万人が国外に避難しているが、500万人にも上るといわれている。それをEU諸国がどう受け入れるか。 

メルケルさんが今もドイツの首相だったらプーチンとどう対峙しているか。展望も変わっていたかもしれない。バイデン、マクロン、ジョンソン、さらにはトランプでもダメなのだ。

「嘘つき」プーチンを翻意させるのは事実を把握し、反戦運動でプーチン政権を倒すロシア国民自身だ。

 

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