2015年5月11日月曜日

医薬分業見直し、「かかりつけ薬局」制度導入:調剤薬局、薬剤師のあり方が問題になるのでは

調剤薬局、薬剤師のあり方が問題になるのではないか。読売新聞(2015.5.11)に医薬の重複処方防止に「かかりつけ薬局」の導入の記事が載った。以前から言われている「医薬分業見直し」とともに規制改革会議が答申し、成長戦略に盛り込むというのだ。

折角1974年に医薬分業を始めたのに何故、今見直しなのかと疑問に思う。ならばはじめからやらなければ良かったのにと思うのだ。

そもそも医薬分業が始まったのは、医者の利権を防止することだった。当時、医薬品メーカーは400~500%添付が普通だった。医者が薬を100錠買えば400~500錠が無料で添付されるのだ。だから無料でもらった薬を患者にドンドン投薬すれば大儲けになることが社会問題になった。

それはまずいと言うことになって医者と薬局は分業にするとそういう弊害はなくなるだろうというのだ。当然にそれなりの成果はあったと思う。

ところが今、医者と薬局が離れていると診察が終わって医院をでて近くの薬局に行かなければならないことは高齢者に不便だと言うことになったらしい。だから医院内でも薬局を開くことが出来るように見直そうというのだ。

41年前だって不便だったはずだが問題にはならなかった。それが何故、今問題になるのか。

確かに大きい病院だと院内処方、院外処方と両方があり、知らず知らずのうちに院内薬局へ行って「これは院外処方なので病院を出て近くの薬局に行ってください」と言われたことがある。

当然だろうが院外処方はコスト高になる。調剤薬局での報酬は手厚いようだ。

私は高脂血症で投薬を受けているが、1ヶ月分で保険料3410円になる。内訳は調剤技術料1600円、薬学管理料410円、薬剤料1400円だ。勿論3割負担では1020円、1割負担では340円の支払いになる。

手厚い報酬とは薬学管理料を言うのか。この中に安全性、有効性の確認、経過観察、誤服薬防止、副作用回避のための薬剤師の仕事があるのだろう。
私も薬を受け取るときに有効性、経過観察の確認を受ける。特にジェネリック医薬品の場合は重要なことだ。

更に、「かかりつけ薬局」制度の導入が検討されている。

適正使用、重複使用、飲み残し防止で医療の無駄遣い防止、副作用による健康被害の防止に資するらしい。確かに飲み残しは年間500億円にも達する社会問題になっている。

でも、今の調剤薬局、薬剤師で全てをフォローできるというのか。それだけ薬剤師の専門性は向上していない。

私が経験したことで、医者から家庭血圧は最高値を135mmHg以下に保持するようにアドバイスしているという。私の家庭血圧は最高値が140前後、最低値は90前後だった(勿論これよりも低いこともある)。ではやってみようかと思って降圧剤を飲むことにし、1回飲んでみたら最高血圧が180~190に達し、夜でも140~150で飲まないときの方(120程度)が血圧は低い。

高脂血剤を同時に飲んでいたので、調剤薬局で「飲み合わせによる副作用で血圧が寧ろ上がっているのではないか」と相談したが、はっきり分からない。「調べることが出来るか」と聞くと出来ると言う。結局は医薬品メーカーか問屋に電話して確かめたのだろう。答えは「そんな例は聞いたことがないと言っている」と言うことだった。

これで「何でも相談してください」では腹が立つ。

勿論医者にも説明したが「今度来るときは全部飲んでから来い」と言うことだった。飲み続けると危ないと思い1回のんで終わりにした。2週間ほどで通常の血圧に戻った。

そのうちに血圧の管理基準が最高血圧140以下、最低血圧90以下ということになり私の血圧は正常であることになった。

薬剤師も医者も適当だ。本気で患者にアドバイスしているとは思えない。

一方、朝日新聞(2015.5.11)に調剤薬局のデタラメな管理がやり玉に挙がっていた。事務員が薬剤師の監督下で調剤しているというのだ。経営側は人件費のことを考えるとコストダウンになるのだ。保健所が情報を得て無資格調剤で立ち入り検査したが確認できなかったという。
私も薬をもらうために調剤薬局へ行くと暇なので中の様子を見ていると疑問に思うこともある。

受付業務の事務員と局内の薬剤師は色の違う服装をしているので区別が付くが、事務員も薬剤師も同じ白衣を着ていると区別が付かない。私が渡した処方箋を受け取った女性が調剤するが、私に渡すときは別の薬剤師が渡してくれる。これってイカサマをやっているのではないか。

私の場合は錠剤なので医薬品名の似たような薬と間違わない限り問題ないが、小児用のように飲み薬などを調剤する場合は間違うと危ないことになる。

高齢の医者も問題がある。とびひの治療で保湿剤のようなモノしか処方しないのでなかなか直らない。薬局で「あの医者の処方する薬は効かない」というと薬剤師は「古いやり方だから」というが、医師にアドバイスなどできるはずがない。若い医者に変えて飲み薬で直ぐに治るった例もある。これも医療費の無駄に当たる。

もう10年近く高脂血の薬を飲んでいるが、今まで3ヶ月分処方してもらっていたが、3.11の東北地方太平洋沖地震で薬剤が逼迫しているので1ヶ月しか処方できないと言われ、今まで毎月の通院になっている。「もう3ヶ月分処方できないか」と聞くと「出来ないことになっている」という。医者に頻繁にかからなければならないのも医療費の無駄遣いではないか。

医療改革は、医者自身にも意識改革が必要だが、薬剤師の専門性の向上、資質の向上は先決問題ではないか。成長戦略と言って改革をやろうにも薬剤師がダメならどうしようもない。勿論調剤薬局のあり方も問題だ。

重複使用、飲み残しの高齢者問題、人間ドックでの判定基準値と専門学会が発表する判定基準値の乖離、学会と医薬品メーカーの癒着問題など利権団体である厚生労働省、日本医師会、日本薬剤師会、製薬メーカーを相手にどう改革が進むか。

一番大事なのは本当に治療しなければならない患者さんをどう援護していくかだ。


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