2015年5月1日金曜日

30日、日銀追加緩和なし:日銀も異次元緩和の弊害を暗に認識し始めたか

日銀は金融政策決定会合で現状維持の「追加緩和なし」を決定したが、日銀は異次元緩和の弊害を認識し始めたのか。30日の日経平均株価は538円も値下がりしたが、米国の経済の先行きが懸念され値下がりするとは思っていたが、午後になって日銀の「追加緩和なし」で更に下落したという。

日銀は,原油安、個人消費の伸び悩みで物価上昇が当初の達成時期では無理とわかり再三にわたって先送りを示し、一番新しい予測では「2016年度前半」ということになった。

それでも当初の「物価上昇率2%」の達成の姿勢は変えていない。そりゃそうだろう。ここで達成不可能とでも言うなら「期待感」だけに訴えてきたために市場は大慌てだろう。

今回だって、追加緩和を予測していたほどだから市場が動いたのは当然だ。

逆にどうして追加緩和を見送ったかだ。

財政法で日銀が直接国債を買い入れることは禁止されているが市場を通じての買い入れは認められている。でも市場が「財政ファイナンス」と判断しても可笑しくない状況にある。

又、そんなに市場にカネを流しても設備投資などに回って経済成長に貢献出来れば良いが、今は株などに廻りバブルの傾向が出ている。

更に心配になってきたのは黒田総裁も経済再生諮問会議でオフレコで発言した「国債はリスク資産」の見方が広がり国債を保有する金融機関の規制強化が出て来た。我が国でも大手金融機関、日銀は影響を受ける。

そして9月とみられているFRBの利上げ時期だ。経済財政諮問会議でも委員が発言していたが、日銀の出口戦略は我が国のマクロ経済に大きく影響するのだ。

日銀がボツボツ異次元の金融緩和策を警戒し、弊害を認識し始めたのであれば良いのだが。

先の金融政策決定会合でも確か木内委員が、量的緩和を80兆円から45兆円に縮小したらどうかと提案したが1vs8で否決されたことがある。

今回の市場の予想に反しての「追加緩和せず」は、日銀が一歩でも金融政策の正常化に向け歩み出そうとしているのではないか。

今回の株価下落の動きを参考にしながら金融政策の新たな舵取りが日銀には要求される。一方、市場も日銀への期待感だけで動いては失敗するのではないか。

又、日銀は物価上昇2%に拘っているが、これを見直しすることは黒田総裁、岩田副総裁の存在を否定することになるから出来ないのだろうか。

リフレ派の旗振り役である浜田内閣参与が「2%物価上昇に拘る必要は無い」という発言をしていた。


政府、日銀の考えがチグハグでは経済運営は覚束ない。経済成長と財政再建は両輪だと安倍総理は度ある毎に発言しているが、増え続ける赤字国債に財政健全化を主張しているのは経済財政諮問会議では黒田総裁だけなのか。

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