2016年6月25日土曜日

ローカリズムのススメ:英、EU離脱はグローバリズムに一石か

讀賣新聞 2016.6.25
「ローカリズムへのススメ」になるのだろうか。注目されていた英のEU離脱か、残留かの国民投票での最終判断は離脱になった。グローバリズムへの一石となった。

グローバリズムと言えば、日本社会も大きく変わった。古き良き時代の日本式習慣、経営はなくなり市場経済一色で殺伐とした風潮が蔓延る。

グローバル化は地方を疲弊させ、労働環境の変化、高齢化は不安を募らせる。欧州では特に移民問題が社会を混乱させている。労働の機会を奪われ、移民のための福祉への支出がかさめば国民の不満は高まる。

英国も難しい複雑な国家だ。スコットランド、北アイルランド、ロンドンは残留派、ウェールズ、イングランドは離脱派だ。今回の結果でスコットランドが英国から離脱する国民投票を考えているという。

各地域で産業構造、労働環境、学歴、高齢化など抱える問題は様々だが、ポーランドや中東諸国からの移民急増は雇用を失うことで批判が大きい。

離脱派が主張した「偉大な英国」「実権を我が手に」は、今大統領選挙中の米国のトランプさんの主張と合っている。

この英国のEU離脱結果に、ポピュリズムの蔓延、民主主義政治がとんでもない結果を生み出したと批判することは間違っている。

米国型のグローバリズムは各地で摩擦を起こすだろう。賛成している訳ではないが中国の海外進出、AIIB構想などはこの現れではないか。

ステイグリッツ教授もグローバリゼーションに警告を発している(「これから始まる新しい世界経済の教科書 徳間書店 2016.2」。

それによると、米国の活力が落ちているのは1%の富裕層のための政策で、経済格差が広がり、それに不公平感を国民が感じ、社会制度に対する不信感が広まっていると言い、米国型グローバリズムを批判している。


グローバリズムが綻びを始める一石になるのか。私は「ローカリズムのススメ」とみた。

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