2017年10月23日月曜日

2017衆院選を省みて:地元に根付き自分の顔で戦う候補者が大事では

今回の衆院選を省みて自民が強かったと言うことは地元に根付き普段からの活動に余念のない候補者が自分の顔で戦い勝ち上がったことではないか。確かに民進党と希望の党が合流し野党共闘でも出来れば自民は大きく議席を失ったかも知れないが、それは一時のこと、今回は民進党の3分裂で立憲民主党が立ち上がった。

未だ途中経過であるが自民280,公明29,希望49,維新10,立憲54,共産12,社民1,諸派/無所属26と言う結果が出ている。自民、公明、希望、維新の減席分を立憲が吸い上げ野党第一党に躍り出た。

今回の衆院選を見るとメデイアが煽った「小池劇場」の失敗だ。主演・小池さんの言動が大きく客入りをかえる結果になった。その不人気が立憲民主党のたちあげになり前原さん、小池さんの言う「政権選択」「安倍一強反対」の勢力を分散させた。

小池劇場で小池さんが敵とする自民に刺客が送り込まれたが、その玉が悪かった。地元に密着せず落下傘候補、民進党からの離党、合流組と複雑な構成になった。選挙で「何故、変わったの」「そこは聞かないで」という民進党を離党し希望の党立ち上げに参加した候補者の街頭活動がテレビで流れた。

しかし、小池さんのようなカリスマ的存在の代表の顔に頼るのは危険だ。その言動が情勢を一転させることが今回よく分かった。小池さんも反省しているように「排除は厳しい言葉だった」「私の驕りもあった」と言うが、一方でその言葉を報じたメデイアを批判する事も忘れなかった。

ところで考えてみよう。小泉劇場、橋下劇場、小池劇場はどうだったのか。小泉劇場は自民、既得権益者を敵に回し郵政民営化を戦ったが、何を残したか。「政界の混乱」だけではなかったか。その時離党した議員も今は復党して要職に就いている。

橋下劇場と言うが地方政治では成果もあったようだが、大阪府、大阪市で成功した政策を国政に持ってくること大変だろう。そしてカリスマ的存在の橋下さんが引退すればその勢いも落ちてくる。今の日本維新の会を見ればよく分かる。
橋下さんが注目されたのは何でも会見でコメントしてくれるメデイアのご都合主義ではなかったか。

一方の自民党は議席数を落としているが結果は大勝とみられている。二階幹事長は早々と「安倍政権が信任された」というが、「安倍さんは嫌いだが安定政権を考える」と自民党という結果ではないか。

地元密着の候補者が自分の顔で選挙戦を戦えば、落下傘候補など蹴飛ばすことが出来るのだが、国会で不規則発言、不祥事を起こした候補者も返り咲く危険もある。イデオロギーで右往左往する野党を横目に勝ち抜く地盤の強さは、政権交代という一時の異変もあったが盤石さを見せつける。

しかし、自民党安倍政権が勝ったとは言え、候補者の新陳代謝は重要だ。ベテラン議員の不容易は発言、民意とはかけ離れた発言が目立ってきているのではないか。閣僚候補者にも事欠く状況にあるのではないか。

そして今回の選挙で漁夫の利を得たのが立憲民主党だ。民進党と希望の党の合流時に「選別に落ちた」候補者の受け皿になり野党第一党にのし上がったが希望の党との議席差はたったの5議席、希望の党の当選者もほとんどが民進党合流組だ。

これからの国会運営で旧民進党の悪い例が出てくるのではないか。希望の党で選別されたリベラル系議員が集まったように思えるが、枝野さんも言っているように「リベラル政党」ではないようだ。

では、一体立憲民主党はどんな党の色なのか。「判官びいきの風」で立ち上がった政党だとすると大きな期待は出来ないが、安心出来るのは既に実績のある候補者達であると言うことだ。

次回の選挙でこれらの政党がどうなるか。普段の活動を元に自分の顔で勝負できる候補者に出て来て欲しい者だ。


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