2018年5月6日日曜日

「自衛隊は違憲」意識が平和憲法をギリギリ守っていないか

憲法記念日が近づくと大新聞は世論調査を発表する。今回も朝日新聞で調査結果を見たが、設問が多義にわたると整合性を持って見るのが大変だ。設問単独で見ると理解出来るが他との関連で見ると複雑だ。

そして回答した人のうちで大学などできちんと憲法を勉強した人がどのくらいいるのか。あるいは専門書を読んで憲法を考えている人がどのくらいいるか。安倍総理が言う「憲法改正し明るい未来を」「GHQの押しつけでなく独自の憲法制定を」などの提案理由を鵜呑みにしていないか。

自衛隊の存在が「憲法に違反していない」と見る人は65%で「違反している」と見る人の23%を大きく引き離している。違反していないのに何故9条改正に反対(53%)し、賛成(39%)を引き離している。安倍総理は自衛隊員に命を張ってくれと言うのは無責任、「自衛隊の存在を明記し違憲の疑いをなくす」ことに納得出来ないが(55%)で納得出来る(37%)を引き離している。

自衛隊の存在は違憲とみているのか、9条改正は嫌なのか。

更に、憲法が掲げる平和主義について、「今後も変わらず持ち続けるべき」と考える人は67%で「現実の脅威に対応して見直すべきだ」と考える人の30%を大きく引き離している。

「自衛隊は違憲意識」がギリギリ平和憲法を守っているのか。

面白い結果も見つかった。

変える必要は無いと答えた人の「憲法で特に大切と思う分野」と変える必要があると答えた人の「変える必要のある分野」を見てみた。

       特に大切な分野    変える必要がある分野
前文       13          4
天皇       18         11
平和主義     83         28
権力と義務    65         32
国会の仕組み   10         42
内閣の仕組み    8          33
司法制度     15          15
財政       14          26

平和主義は多くの国民が願っていることだろう。変える必要のある分野のうち国会の仕組み、内閣の仕組みが上がっているのは今の政局を見ての事だろうが、メデイアの設問の仕方によるか。

そして憲法改正に関して安倍総理は全く信用されていない。安倍政権の元で憲法改正に賛成30%、反対58%、安倍総理が言う「憲法改正で新しい時代の希望が生み出す事につながるか」の設問では「つながる」31%、「つながらない」56%だった。

恐らく他のメデイアの調査でも同じだろう。安倍総理の意気込みは国民と乖離しているのだ。

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