2018年5月25日金曜日

今日の新聞を読んで(157):国会審議で「要点をはぐらかせた」答弁が許せるか


国会のNHK中継を聞いていてよく聞くことに質問者が「質問に答えていない」と言っていることに気づく。再度答弁に立った大臣が同じ答弁をする。しかも官僚の作成したペーパーの棒読みだ。もちろん自分の言葉で話していない。

AIでも使ったらどうか。質問者は国民(有権者)へのアピールとして質問したいだろうから野党の質問者が質問を終わるとロボットが答弁する。質問にいくつか用意して質問者が不満なら次の答弁をするというやり方だ。

近い将来、国会審議もそうなる。どうせやらせ質疑なのだ。

安倍総理も森友、加計問題で同じ質問を繰り返しされている。疑惑に答えていないから同じことの繰り返しだが、ある時は自分の都合のいいことだけをダラダラ答弁するために、質問者は「時間を浪費している。きちんと答えてください」と詰め寄られ安倍総理は苦笑いだ。

時には総理の席からヤジを飛ばすこともある。

質問者はフリップまで用意し何を質問しているか国民、視聴者にわかるよう工夫しているが答弁は早口でペーパーの棒読みだ。たまには質問者のフリップを指差して「こう考えている」とでも言ってみたらどうか。

質問者にも問題がある。答弁がなっていないのなら繰り返し聞けばいいのに「時間がないので次に行きます」では何の質問だったのか。

委員長の議事進行も稚拙だ。

「○○君」と名前を呼ぶだけだ。確か浜田さんが予算委員長だった時に大臣に注意したことがあるが、本来はこうでなければならない。

証人喚問での委員長の采配は稚拙だった。質問に対して承認は「刑事訴追の恐れ」を理由に40回も証言を拒否した承認がいるが、これでは真相には近づけない。

こんな時は委員長は証人に「証人は証言を拒否しているがどの点が何に抵触する恐れがあるとみているのか」と逆質問すべきではないか。証言拒否する点が訴追されることを自白しているようなものだ。

今国会の目玉政策は「働き方改革法案」であるがこれが曲者、非正規には「働き方の多様性」に答えているが正規には「過重労働」を強いているのだ。

厚生労働省の根拠としたデータに厳しい批判が寄せられている。安倍総理は一般労働より裁量労働のほうが労働時間が短いというデータ(約30分だが)があると答弁していたが根拠となるデータに不備があったためにその部分は法案から削除された。

働く人のニーズの把握では「いくつかの企業で働く人の話を聞いた」と加藤大臣は答えたが質問者が「その数は」と畳みかけると同じ答弁をしたのだから驚く。質問者の意味が分からないのか、データがないのか。

いつぞやは20%のデータに誤りがあったが結果には影響がないと答えていたことがあるが、今回も加藤大臣は「従来より信頼性が高い」と理由をあげていないが、どうやって信頼性を挙げたかというと「エラーチェック」しっかりやったという。では今まではエラーの多いデータを使って政策を捏造していたのか。

このだらしない答弁をみて東大の安富歩先生は「へとへとになるまで質問を繰り返す」か「自分たちの足でデータを作れ」という。

ところが独自に集めたデータでも政権の意にそわなければメディア攻撃をされることがある。

安倍総理がTBSのニュース番組に生出演し、アベノミクスの成果について議論したときに、番組は街頭インタビューの結果を放映したが、これに安倍総理がかみついた。「おかしいではないか」と反論を始めた。

これ以降メディアへの攻撃が激しくなり番組によってはキャスターの交代などメディアも委縮した。

安倍政権に限らず意に添わない質問には「ごまかしたり反論をする」が政治の世界では反対意見に対してこそ真摯に受け答えするのが政治家の仕事ではないか。
いつも国会中継を見るたびに大臣の「はぐらかし答弁」には腹が立つ。安倍さんも都合の悪い質問には自分の都合のいい話でごまかす傾向が大きい。

森友、加計問題で延々と同じ質問がされているのは一向に納得されていないからだ。「先ほども言いましたように」とは納得されない答弁を繰り返しているためだ。

国会審議は審議時間が長ければいいのではない。いかに仕事をしたかだ。問題を解決したかだ。それこそ働き方改革の裁量労働制ではないのか。

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