2022年9月10日土曜日

日銀は何故、円安に拘るのか:効果が出なければ逆の利上げ、円高に転換すべきでは

 

ここ数日、急激な円安に襲われている。なかなか腰を上げない日銀・黒田総裁が岸田総理と会談したという。結論は「急激な変化は好ましくない」とコメントしたら市場は動き142円台まで戻した。今、日銀が出来るのは「口先介入」だけだ。 

欧米中央銀行がインフレ回避のために「利上げ」に踏み切った。FRBも米国内のインフレ8%台を押さえ込もうと利上げだ。一方、日銀は物価2%まで量的緩和を継続する。 

日銀は1990年代後半から「ゼロ金利政策」を取り続けている。長い間日本経済が苦しめられた円高だけは回避したいのだ。リフレ派の非伝統的金融政策で市場にカネを流し、円安を維持する。

民主党政権時75円ぐらいだった円も、安倍政権での異次元の量的緩和で円安に動き、100110円に。このあたりかと思っていたら更に円安が進む。 

ロシアのウクライナ侵攻で、輸入原材料などは高騰、エネルギーの高騰と円安で物価は値上げラッシュ、国民生活に大きく影響しだした。 

「円安はいいのじゃないか」と思っていたが、そうではなかった。諸外国が利上げするが、日本はゼロ金利政策では金利差が広がり、ますます円安に動く気配だ。 

以前なら為替介入もあったが、米国はドル高志向だ。協調介入は無理だ。

対ドル下落率は他の通貨に比べて大きい(円22%、ユーロ14%など)。実質実効為替レート変化もドルや人民元は上昇しているが日本は-46%、国内経済に問題があるアルゼンチン・ペソ、トルコ・リアより下落しているのだ。 

専門家の分析では2000年前半は通貨価値の高いスイスと同レベルだったという。2013年日銀が大規模金融緩和策を取り出してから価格が下落下のだ。 

円安でも競争力は取り戻せなかったという。 

日銀のゼロ金利政策は効果が薄かったのだから、「利上げ」→「金利差縮小」→「円安から円高」に転換すべきではないか。 

「利上げ」は折角回復しつつある日本経済の景気を下げる危険もあるという。本当か。寧ろ「ゼロ金利政策」こそ市場をゆがめていないのか。 

金利を上げるとデメリットもあるがメリットもある。 

国債では政府の償還額が増える。しかし一方で政府の赤字国債発行を減らす効果もないか。 

投資にも影響出るだろう。でも内部留保も大きい。住宅ローンに影響するだろう。そこは控除などで対応できないか。 

預金金利が上がる。良いことではないか。家計の利子所得が増える。個人消費も伸びないか。 

輸入材が安価になる。これは国民生活にとっては重要だ。 

岸田政権は総合経済対策に3兆円を支出するという。住民税非課税世帯に5万年支給、ガソリン補助、小麦価格の据え置き、子育て、中小企業支援などを挙げている。 

しかし、根本的対策を考えないでの支援策は税金の無駄使いにならないか。 

ここは円高への政策転換をすべきだ。新興国並みの政策をやっているからG7からも脱落しないか。

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2014.4.20掲載

「脱ゼロ金利」のすすめ:アベノミクスも期待薄、消費拡大には金利を上げろ yamotojapan.blogspot.com/2014/04/blog-post_20.html

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