2016年5月15日日曜日

もうすぐ会期末、6月1日までに政局はどう動くのか

先日まで憲法改正云々と言っていたかと思ったら、2回に及ぶM7クラスの熊本地震の発生、オバマ大統領の広島訪問と立て続けの出来事に忘れかけていたが6月1日に今国会が会期末を迎えるのだ。政局がどう動くかに注目せざるを得ない。

現職の米大統領の広島訪問は画期的なことだ。米国内では謝罪に反対する意見が多くオバマ大統領もメッセージに腐心しているようで、政治的パフォーマンスに利用すべきではないと思っていたら、安倍総理は議長であるにもかかわらずG7出席者をおっぽり出してオバマ大統領の広島訪問に同行すると言い出した。

明らかに選挙目当てのパフォーマンスで野党は選挙を控えてショックを受けている。

3日間のうちにM7クラスの地震が発生した甚大な被害が出ている熊本地震での対応では、2回も現地を訪問した安倍総理であるが、政府の後手後手の対応が批判に晒されている。

そんな中で衆参W選挙の可能性もあると言う。衆議院選挙も加えて国政選挙に持って行こうとしているのか。

衆参で憲法改正発議の2/3の議席を確保したい安倍総理だろうが、その憲法改正のテーマに緊急事態処置(?)が考えられている。緊急事態が発生したときに衆議院議員の任期を延長できるようにしようと言うらしい。

震災などで混乱しているときの国政選挙なんて考えられないのだろう。でも衆議院が解散しているときは参議院で審議できるではないか。

更には、そんな事を考えるのであれば、衆議院と参議院のW選挙などあってはならないことだ。別々に選挙するのが憲法の建前ではないのか。

それと野党対策もあるだろう。北海道5区の補選では野党統一候補が善戦した。こうした事態が全国に広がると自公政権も窮地に追い込まれることは目に見えている。野党の共闘態勢が整う前に1戦交えることにメリットがあるのだろう。
でも、肝心な事は争点となる政策だ。気をつけなければならないのは自民党政権は「争点隠し」の常習犯なのだ。

憲法改正は国民の半数以上が反対しているし、公明党も異論を唱えている。あらゆる局面で憲法改正を訴えるが、選挙では争点隠しになる可能性が強くないか。

17年春の消費税増税も争点になるだろう。アメリカから著名な経済学者を招き伊勢志摩サミットへの対応を聞いたようだが、増税には反対意見だった。減速する日本経済に良いはずはないと言うのだ。

しかし、我が国には財政再建で社会保障と税の一体改革の3党合意がある。谷垣、野田、山口さん達は増税推進だ。安倍総理も前回の先送り時に「次は絶対に実施する」と約束した経緯がある。

更に考えてみよう。増税が悪いのではなく、内需不足が経済減速の要因ではないのか。法人税は下げ、市場にはジャブジャブ資金を流し設備投資などへ低金利を維持しているが企業は投資に向かない。

日銀の異次元の金融緩和策も限界が見えている。2%物価安定目標は既に17年度中と4回目の先延ばしだ。効果が無さそうな「異次元の金融緩和策」も見直し出来ず、黒田総裁は「必要ならば躊躇なく実施」と追加緩和の期待感を市場に送る。

市場は市場で勝手だ。自分たちの儲けの糸口が出来れば良いと思って、追加緩和の必要性を訴える。このまま続けると国債の信用はがた落ちで、日本経済の混乱の要因になりかねない。

脱デフレも、金融政策でなく、成長戦略で対応しなければならないと言うが、「日本再興戦略2016」を見ても目新しいものはない。同じ内容のものが繰り返し言われていると言うことは、やってもあまり効果がないと思われているのか。

衆議院を解散してまで国民に訴える政策があるのか。

6月1日までにどういう格好で「衆議院を解散する」のか。内閣不信任案提出を誘うのか。
盛り上がりを欠くW選挙は止めてほしい。


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