病めるＮＨＫ？：外部圧力より内部圧力で自律出来ず「表現の自由」に支障

今のＮＨＫは病んでいるようにしか思えない。官邸などからの圧力よりも籾井会長という内部圧力で自律を失い「表現の自由」に支障を来し放送法の趣旨に反しているのだ。

官邸からの圧力で辞任していった松本前会長は「官邸、政治家との距離をどうとるか」に腐心したという。体を張ってＮＨＫを守ったのだ。

反対に籾井会長は「政府が右と言うことを左というわけには行かない」と官邸の意向を１００％理解している発言をして国民を驚かせた。２年チョット前の話だ。

ところが最近になって新聞報道によると「公式発表をベースに当局発表の公式見解を伝え、専門家の見解を伝えて、いたずらに不安を掻き立てるな」と指示したという。

原発報道について、原子力規制委員会、電力会社、公的機関の見解に言及したらしい。

でも福島第一原発事故でも分かるように政府や電力会社は国民の不安を抑えるために真実を隠蔽して報道し、直後に重大な事故に至ったことが分かったではないか。その時、ＮＨＫの解説ではメルトダウンの危険を報じていた。

事故や災害の報道で国民が知りたいのは本当の事で、繕った情報ではない。

籾井さんの言う公式発表一辺倒の報道は、放送法の目的である放送の不偏不党、真実及び自律を保障し、放送による「表現の自由」を確保する趣旨に反する。さらには、放送の健全な民主主義の発達に弊害をもたらす。

言われているように籾井さんは「報道人とはどうあるべきか」が分かっていない。

籾井さんを監督すべき経営委員会も手を焼いているのか。罷免することも出来るのだろうが。それとも、経営委員に任命してくれた官邸に恩義があり出来ないのか。

報道によると、ＮＨＫ内の人事にも混乱を来しているようだ。ＮＨＫの土地取引で不正があったと籾井さんが糾弾された。そのお返しに関係理事の首を切ったようだ。

中には官邸と通じている理事がいたために内部では拍手した職員もいたそうだが、「再任狙い」と酷評されている。

ＮＨＫは放送法第６４条で、放送の受信について契約し、受信料を徴収する事が出来、総務大臣の監督を受けることになっている。

徴収した受信料は事業収入７０１７億円のうち、受信料は６７５８億円、交付金は３７億円だ（２８年度収支予算書）。

これだけの利権があるのだから政治家に頭が上がらないのだろうが、逆に受信料を徴収される国民の立場もある。国民の期待に応えられる報道であって欲しい。

安倍政権は後２年、１強独裁政治、籾井会長にＮＨＫが耐えられるか。ポスト安倍でまた混乱するのか。

このままでは、ニュースはＮＨＫ，情報、報道番組は民放と言うことになるか。