年間320億円を超える政党交付金は、その使途、政党分裂などでの取り合いで見にくい結果を露わにしているが、この悪制度を廃止できるのは1円も受けていない共産党政権になってからだ。それ以外の政権では期待出来ない。だからほとんど廃止は無理なのだ。
その共産党にあっても、赤旗販売など組織の資金は豊富のようだし、議員が少ないからそれほど政治活動に伴う資金は必要ないのだろう。
今回の舛添・都知事の「政治とカネ」の疑惑は私たちに政党交付金の使い道を具体的に示してくれた事で、その是非論争に大いに貢献している。
政治資金規正法を知り尽くした(?)舛添知事は、法に疎い国民やメデイアとの攻防を避けて「まずは法に精通した専門家による厳しい目で調査」する事を宣言し、先の記者会見での記者の厳しい質問を交わした。
法はカネの使途を公表するために収支報告書の提出を義務づけているが、使途に対する制限はない。
だから内容がどうあれ政治活動に関連する記述であれば法には違反しないので、先の記者会見でも舛添さんは余計な説明は避けていた。
「精査してから説明する」と言っていたが、弁護士のアドバイスは「第三者による厳しい調査」で時間稼ぎの手にでたのだろう。自ら選んだ弁護士など専門家が依頼者の不利になるような調査結果は出せない。
核心に迫る点、捜査の手が伸びる恐れのある点は「調査の限界」で逃げれる。理研のSTAP細胞捏造事件、小渕優子さんの政治資金疑惑もそうだったし、甘利さんは調査すると言いながら時間稼ぎしていることからも分かる。
企業献金や政治献金集めで奔走する国会議員の姿を見て政治活動の健全化、公明、公正の確保で民主政治の健全な発展を謳ってこの制度が出来た。
一時は100億円にもなった企業献金も、経団連が献金再開で今は20数億円になっているらしい。企業献金防止にはなっていない。
今まで10年間で3300億円もの国民の税金を「山分け」する状況が続いており、弱小政党は政治活動費の90%を占めるという。交付金なしでは政党がやっていけないのだ。
一方、160億円という交付金を受けながら自民党は派閥単位のパーテイーを開催し政治資金稼ぎに精を出している。仲間を増やし政権を握るのはカネが掛かるのだ。
我が東京都知事の舛添さんは、下着購入、家族の会食費、温泉地での宿泊代まで助成金で賄っているのだ。政治家でなければ自費で賄う物を政治家なら交付金でやれるのだ。
逆説だが、政治資金の使い方、あり方で一石を投じてくれた舛添さんに国民は感謝すべきではないか。
そして、こう言う人間が政治家として活躍出来る事態を潰す事が有権者、納税者の責務であり、こう言う人間を推薦、公認する政党は猛省すべきである。谷垣さんは舛添さんに「猛省しろ」「居住まいを質せ」というが、そのまま自民党にお返ししたい。
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