2016年5月25日水曜日

G7サミット:年に1回の意見交換会、議長国のパフォーマンス発揮の場か

メデイアはG7サミットの特集記事で賑わうが、年1回の意見交換会で議長国のパフォーマンス発揮のチャンスの場と考えると、いつものことだが余り期待は出来ないのではないか。

会議のシナリオ、宣言は既に事務方が関係国と折衝し合意が得られているはず。サミット前の二国間首脳会議も最終的すりあわせと合意に至っていない政策の再調整だ。

ペーパーを見ながらの意見交換は「やらせ」そのものだ。

議長国としての安倍総理のパフォーマンスは目をひいたが、成果はなかった。

沈滞する世界経済をけん引すべく政策のテーマを探り世界中から著名な経済学者を招き意見を聞いたが参考になったのか。日本の消費税増税では3vs2で賛否が割れた。そうだろう、国内だって意見が割れているのだ。

逆にクルーグマン教授は安倍総理の考えの稚拙さを暴露してしまった。

また、安倍総理は関係国の歴訪をやった。経済成長に財政出動の必要性を訴え合意したかったのだろう。世界経済へ向け金融政策、財政政策、規制改革のG7版「3本の矢」はいかにもアベノミクスの二番煎じの感が強い。

金融政策以外にこれといった成果のないアベノミクスに世界は破綻しているとみているのに恥さらしだ。

案の定、ドイツ、イギリスは財政規律を重視し、カナダは財政出動に同意したようだ。

しかも現在の世界経済の見方では各国に差が出ている。我が国では悲観的見方が強いが他国ではそうは見ていないようだ。

だから世界経済を伸ばす成長戦略、財政出動需要拡大は日本独特の見方なのかもしれない。

各国は自国経済の現状にあった政策を提言する。米国は輸出促進のためにはドル安が重要で、為替安競争を牽制する。日本は「唐突な円高」には為替介入を匂わすが米国は「為替は安定している」とみている。

難民、テロ対策、タックスヘイブン、ウクライナ情勢から経済制裁を受けているロシア、リーマンショック後に52兆円という巨額の投資をして世界経済をけん引した中国も国内経済減速、鉄鋼の安売り、構造改革で行き詰まっている。

そのロシア、中国はサミットメンバーから外されている。

日本は、北方領土、エネルギー問題でロシア・プーチン大統領と交渉を継続しているがアメリカは警戒している。最近の新聞でプーチン大統領は「北方4島は返還しない」とコメントしたようだ。「新しいアプローチ」とは何だったのか。

中国も南沙諸島問題で課題になるだろう。国連安全保障常任理事国として世界の平和へ貢献すべき中国が自ら近隣諸国と紛争起こしているのだから始末が悪い。


世界が連携して諸問題に当たるのは難しくなっている。サミットは今発生している問題をどう考えるかの意見交換会なのだ。

パフォーマンスといえばオバマ大統領の広島訪問だ。安倍総理は同行するパフォーマンスで政権の浮揚を図る。

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