2016年5月17日火曜日

国会論戦を見る:政策の争点を「対立軸」に求めにくくなってきたのでは

NHK国会中継を見ていて感じることは、野党は政策の対立軸を争点にしようとしているが、なかなか思うように行かなくなりメデイアで「不発に終わった」「野党は攻めあぐねている」と酷評される。このままでは野党の存在感が薄弱になり政党支持率も自民党が40%近いのに10%未満だ。

16日の予算委員会で民進党の岡田さんが「民進党の言っていることを総理は言っている」と追求の難しさ、争点を明確にする難しさをにじませた。

一方、民進党から経済政策で追求されると、安倍総理はアベノミクスの成果を経済指標で説明し「民主党政権でどうして出来なかったのか」と逆襲する始末だ。

その争点がはっきりしなくなり、民進党が攻めにくくなった要因には、民進党内事情がある。保守系とリベラル系が混在する政党では党内でも政策の一致が出来ず、フラフラしている。当然追求も曖昧になるし、政権もそこのところはよく知っている。

無理して対立軸をはっきりさせようとすると、両極端の政策になり国民の広い支持が得られにくくなる。

共産党だって、反立憲の安倍政権を倒すために政策論争を一旦棚上げにして野党共闘を提案している。野党統一候補はこれからの選挙で自民_公明に十分対抗できそうだ。

又、政権自身も対立軸と思われる政策を導入して行かなければ有権者の支持が得られにくくなってきている。当然、政権批判が強まると修正、見直しが強行される。

そうなると、野党の政策に一歩近づき、野党の存在感が危うくなり、危機感が募る。

これは重要な問題だが、政策には予算の裏付けが必要であるが、予算権は政権側に握られている。アベノミクスは破綻していると主張する野党にあっては、アベノミクスの成果、税収の「底上げ分を財源にしろ」とは言いにくい。

国会審議で与野党の論争が平行線のままでは、国会が国政の最高機関なんて言っていられなくなる。

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