低成長、30年賃金上がらず、民主党政権でもデフレ脱却宣言をしようとしたが不可能だった。日銀は白川時代に緩和な量的緩和をしていたが、安倍政権時にリフレ派経済の異次元の量的緩和に踏み切り「2年で物価上昇2%」を目指したが8年後も未達だ。
一方欧米も量的緩和に踏み切った結果、インフレが進み抑制のために利上げに方針転換だ。同じ経済環境にありながら利上げの欧米と低金利維持のための量的緩和を維持し続ける日本とは状況が違ってきた。
FRBとの金利差から円売りドル買いで円安が進み、好ましくない物価高を招いている。黒田総裁は景気の下支えのために量的緩和策を維持し、必要なら躊躇なく拡大するという。
日銀の対応に専門家の間では賛否両論だが、日本が利上げすれば今までの経済政策は失敗、利上げが日本経済に与える影響は大きいかもしれない。小心者の黒田総裁は後数ヶ月の任期一杯、量的緩和維持なのだろう。
新聞にも専門家が低成長の要因を指摘しているが、何故、改善できないのか。一つは「少子高齢化」、2つ目は「非正規雇用、所得格差」、三つ目は「財政、社会保障への信頼」、そして「低金利政策」だ。
○「少子高齢化」は労働人口の減少になり、サービス、生産活動に支障をきたす。今でも農業、サービス業では海外労働者抜きではやっていけない。地方行政にも支障が出ている。議会が成立しないという。
一時人口爆発で出生率1.4に落としたが今になって1.8に戻そうとしているが出生数が81万人だという。日本の人口は20XX年には7000万人と言う予測を見たことがある。
これから増加する各種災害の被災地は多くは「過疎化地域」あるいは「将来過疎化」地域だ。そういう地域への復興の多額の資金が必要になる。
女性が結婚し子育てしたい住民サービスの行き届いた行政が出来る街づくりが大事になる。すでに実践している地方自治体が紹介さfれている。
○ 非正規雇用の増加、格差社会は問題だ。これを推進したパソナ会長の竹中平蔵氏が会長を退任した。派遣業を推進し企業は人件費のコストカットに利用した。その結果、身分の不安定で、低所得の労働者を多く出すことになった。
身分を保証し、結婚できる収入を得、子育てできる環境を整えることが重要だ。時間給を1500円にする案が選挙戦で訴えられていたが身分の補償が大事だ。
○ 財政、社会保障への信頼が必要だ。財政健全化か財政出動か。景気下支えのためには財政出動を訴える政治家が多い。PB黒字化の期間設定が削除された。何時まで赤字国債で財政出動できるのか。わが国の借金は1226兆円、対GDP比220%、先進国一悪い状況だが、借金農地海外投資家が持っているのは167兆円、ほとんどが日銀を初めとする金融機関だ。国民が所有しているのと同じなのだ。だから心配は要らないというのだろう。
若者は社会保障に信頼性を失っている。消費税でまかなっているというが、年々増える社会保障は高齢者の負担につながっている。さらには0.4%の減額になる。こんな社会保障に若者は参加しないだろう。一方で、防衛費は対GDP比1%の枠組みから2%へ増加だ。
○ 低金利政策だ、専門家は成長率が落ちるという。金融政策を正常化することが必要なのだ。まだ景気が本格化ではないため、下支えで日銀は低金利政策を維持している。しかしそれを利用して設備投資するかと言うとそうはしない。M&Aや海外投資だ。
日銀の低金利政策が何時まで有効か。米国との金利差で円売りドル買いが進むと円安、輸入品などの物価高は国民の生活に支障きたす。金利差を縮小するのは日本が金利を上げることだ。
経済成長には非正規雇用、格差拡大対策で「分配」を進めることではないか。企業が儲けたカネを国民に分配し、消費を伸ばすことだ。岸田総理が当初、分配政策を提案したが、いつの間にか「成長の果実を分配」と言い出しトーンダウンした。
「成長」と「分配」どちらが先か。今までの日本社会は労働者の犠牲に上に成り立っていた。賃金はコストではない。トランプ前大統領の登場で今まで恵まれなかった国民が立ち上がった。米国企業も株主第一から社員第一、地域社会に貢献を言い出さざるを得なかった。
確かな賃上げ、社員の身分保障が日本式経営の取り戻しになる。グローバリゼーションから日本式経営への回帰だ。
そうすれば結婚、子育ても増えてくるだろう。税収が増えれば赤字国債に頼る率も減ってくる。社会保障にも少しは希望が出るのではないか。
低金利に慣れきってはいけない。金融政策の正常化は大事だ。