数年前、関東大震災の状況を素人東京都復興記念館を見学したことがある。1923年9月1日、午前11時58分、東京大学地震研究室の地震計の針が大きく振れ切った。巨大地震の発生だ。地震発生を世界に最初に発信したのは横浜港外に停泊していた外国船だったという。
その一方は「横浜で火災、火は港に迫っている」という内容だったという。2報目で「巨大な地震が発生した」という内容だったらしい。日本の通信設備は地震でダウンしたためらしい。
記念館の展示品は強烈な火災による被害が大きかったという。絵画でその様子もうかがえる。デマも飛んだようだ。警視庁が警告を発したという。写真やメモを取ることを禁止されていたので記憶に頼った。しかし外国の見学者はパチパチ写真を撮っていた。
今年は100年目、メデイアの震災に関する報道は多い。死者の9割が火災によるものだという。広場に家裁道具を持った避難者たちが集まり、そこに火の手が回った。
火災被害ばかりではない。津波の被害も大きい。伊東市の写真が出ていた。東京ばかりでなく神奈川、千葉も被害が出ている。本震は小田原の内陸だったが、本震以外に余震が6か所、相模湾から房総半島まで広い震源域だ。東京でも羽田近くまで迫っている。
だから被害も土砂災害、津波災害に火災災害で「複合災害」だ。津波は9~12mという。
今後はどうなるか。M8クラスの発生は200年間隔だがM7クラスの首都直下型になると今後30年で発生確率は70%だ。いつ発生してもおかしくない状況なのだ。
私たちは何をすればいいのか。
まずは初期消火だ。マンションでは要所要所に消火器がおかれているが、一戸建て家庭でも消火器は必要か。地域防災組織も大事だ。東京でも公園で地域の消防隊が訓練を行っている。震災時は出動するらしい。
家を出るときは電気のブレーカーを落とすことだ。電気のよる火災発生が多いようだ。
避難路と避難場所の確認だ。
そして、今回新しい知見も得られている。
9~12mの津波による災害、土砂災害にそなえる「複合災害」であることと1000年前に「未知の関東地震」が房総半島沖で発生していることが専門家の研究で明らかになった。M8以上で歴史に記録が残っていないらしい(2023.8.27 産経新聞クローズアップ科学、2021.12.29防災読売、2021.9.4newstsukuba .jp)。
房総半島に行くと海岸が段上になっている。海岸段丘というらしいが、想定より隆起が大きく、従来の地震津波では考えられないということで未知の関東地震ではないかと疑われているのだ。
そして、新しい知見として台風が日本海側を通過中だったという。東京で風速8m、夕方には10m以上の強風が吹いていたという。火災に上昇気流が発生しさらに風は強くなり大きな被害が出たのだ(朝日新聞2023.8.29)。
相模トラフ関連ではM8クラスは180~590年間隔で今後30年での発生確率は0~6%だが、M7クラスの首都直下型地震の発生確率は70%、いつ発生しても不思議ではないのだ。
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