2024年4月6日土曜日

日銀の政策変更理由は、2%物価目標への確度が高くなっただけか

 中央銀行は「期待感」を煽って金融政策をするのか。33年ぶりの高水準の春闘賃上げが実現、驚くことに満額回答が続いたのだ。このまま賃上げが続くと2%物価目標の安定的達成の確度が高まると判断し、日銀は11年に及ぶ異次元の金融緩和を止め、0~0.1%の利上げに踏み切った。

これは大きな変化ではないと日銀は主張すれば市場は相変わらずのゼロ金利が続いていると判断、151~152円安が続く。FRbは年内の3回の利下げというから金利差も縮じまり円高も期待されたが、利下げ先送りだ。

日銀は今後を「基調的物価上昇が徐々に高まる」と三、今はマイナス金利をゼロ金利に変更しただけの状況を作り出している。その物価上昇の確度をどの程度にみているのかはわからない。

今後の動きに期待しているのだ。今回の賃上げが効果、物価上昇率の低下、6月の所得税減税などで個人消費も上向くとみている。だから夏から秋にかけて再利上げの可能性もある。

何しろ0~0.1%の金利では物価をコントロールする手段にはならない。金融政策の正常化には程遠い。

一方で、内閣府の発表する景気動向指数は2か月連続で大家、下方局面にあるらしい。悪化すると景気後退だ。

思い切った利上げを避けたのも、過去の失敗例が頭にあるからだ。当時は政府の反対を押し切っての利上げだったが、今回は政府も承認した利上げなのだろう。

日銀の決定会合委員会の委員の中には利上げ反対意見もあったらしい。しかし、ダラダラゼロ金利を続けるわけにはいかない。国債は581兆円、ETFは37兆円を保有する結果になった。放出するとなると大きな影響が出る。大きな副作用をはらんでいるのだ。


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