2024年4月10日水曜日

被災地は人口減、高齢化地域での復興:「需要減少、維持管理のコストの考慮を」と専門家は言う

 3.11東北地方太平洋沖巨大地震・津波被害での復興計画に専門家は「被災地は人口減、高齢化社会であることを念頭に作成すべきである」と主張していたことをはっきり覚えている。ところが今回の能登半島地震でも読売新聞(2024.4.10)によると、「集約的街づくり」と同じ発言をしている。

復興の計画となると被災者は「元の町に住みたい」「先祖から受け継いだ土地」を希望し、自治体は「なるべく被災者に寄り添う」計画作り、一方専門家は「人口減、需要減少での集約的街づくり」を繰り返す。

でも実際にはそうはいかない。東北地方太平洋域地震では復興整備しても人口は7割だという。流出してしまったのだ。この時千葉県浦安市は広範囲で液状化現象が起き、住宅、インフラに多大な被害が出たが、今でも流動化、側方流動で修繕は進まないという。

今回の能登半島地震でも広域に液状化、側方流動が発生し、今まで2767億円予算化したが4回目の予算化が予定されている。建物の倒壊、道路などインフラの障害は何時復興が終わるかわからない。

その前にどんな街づくりをするかだ。震災前と同じ町づくりは余りにも工夫がないし、予算の無駄使いだ。

こんな時に思い出すのが寺田寅彦博士の考えだ。

博士は1923年9月1日の関東大震災を経験し、随筆などで考え方、当時の様子を記録している。

日本は天然の敵(海か)に四方を囲まれている。陸軍、海軍のほかに科学的国防の常備軍を提案している。今災害地を見ると人命救助、復興に自衛隊の役目は大きい。人の通れない孤立した部落に必要品を背負って届ける姿、倒壊した建物、崩壊した山際の下から救助する姿には頭が下がる。

当然に自衛隊に災害復旧部隊を創設すべきだと思うが、寺田寅彦博士は研究、予知などに専門家を集めろと言っている。これは正論だろう。今文科省に火山調査研究推進本部が設置され、地震火山室が文科省に設置された。

日本は何故、災害の歴史を繰り返すのか。

寺田寅彦博士も関東大震災後、今までの震災で国民はどう行動したかを調べたらしい。

それによると、被害を受けたときはその「痛み」から注目するが、いつの間にかその痛みをわすれ昔の人と同じ愚かさをそのまま繰り返しているのだという。

そして、20世紀の終わりか21世紀の初めごろにまた同じ関東大震災は発生するのだと警告している。


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