2018年4月2日月曜日

トランプ-金・会談:奇人同士で意気投合?、成否は「お土産」次第か

世界が認める奇人同士のトランプ-金・会談はくせ者同士で予測は難しいが意外に意気投合し、その成否は「お土産」次第と言うことにならないか。激しい動きを見せる北の金正恩委員長の「ほほ笑み」外交は各国に思惑が入り乱れる6者協議ではなく、二国間交渉に重点を置き一気に難局を突破しようとしているのか。

その「ほほ笑み外交」に韓国・文大統領、中国・習主席、そしてIOCのバッハ会長が利用されているのだ。

兎に角、小国の北朝鮮が大国のアメリカを相手に直接交渉が出来るのは、「非核化」で核・ミサイル開発を凍結することしかない。そのために金委員長は「朝鮮半島の非核化」を提案している。

ところが、朝鮮半島の非核化というと在韓米軍の存在がある。北にとっては目の上のタンコブ的存在だがトランプ大統領は維持経費の問題で韓国へ負担増か縮小の意思を示していた。

これには日本も大きく影響する。在日米軍の存在が大きくなるからだ。日本だって米国のために大きな犠牲を払っているが、これ以上の犠牲は御免だ。

「非核化」にはいろんな問題がある。核設備をどうするか、IAEAなどの国際監視をどうするか。北は非核化を主張している一方で、相変わらず開発行為を継続しているという動きもあるし、逆に核実験場となる山間部のトンネル工事から労働者の半分を移動させたと言うが、非核化が今までに合意されたわけではないので何をやっても良いのだろう。

又、金体制の維持が課題でもある。南北統一では政治体制の違いをどうクリアーするのか。そしてテロ国家、拉致問題など多くの人権問題を抱えている。トランプ大統領は日本の拉致問題被害者家族会の訴えに理解を示すだろうが本来は日本独自に解決しなければならない問題だ。

ところが先に北でアメリカの青年が暴行による瀕死の状態で帰国し、死亡した事例もある。決して他国ごとではない。

金委員長にすれば自分の家族、親族が今まで通りに体制を維持してくれれば良いと考えているだろうが意に沿わなければ親族まで惨殺、厳しい監視社会は世界が認めるわけにはいかない。

金体制の安全を考えると、ロシアが出てくる。金日成を北の指導者に祭り上げたのはソ連だ。主導権を目指して参戦してくるだろう。

金委員長が初会見のトランプ大統領に何を言うのか分からない。

しかし、背後には国連安保理等による経済制裁の縮小、合意に基づく経済支援だろう。どんなお土産を持ってきて、どんなお土産を持って帰るのか。細かいことを議論してもまとまらないだろうから包括的な合意が御の字だろう。

ところが状況が変わってきた。トランプ閣僚で「対話」重視の閣僚が解任され「強行派」が台頭してきた。これには金委員長も誤算だっただろう。

「一度会談をしてみないとその後どうなるかは分からないぞ」とのアメリカの威嚇のような気がする。強行手段も捨ててはいない。そこが金委員長が恐れるところだろう。

今まで、金委員長は「ほほ笑み外交」で文大統領、習主席、バッハ会長を利用してきた。

文・大統領は北との南北融和策を提案、人道支援で多額の支援をしている。経済制裁に逆行する事になるが南北首脳会談まで漕ぎつけた。

中国の習主席は、頭ごなしに米朝会談が進むのに蚊帳の外に置かれていたが、トランプ政権が強行派で占めるようになり中国に助けを求められ用心棒的存在にされた。

IOCのバッハ会長は平昌オリンピックでの南北統一チームの成功により東京オリンピックでも統一チームの構想を支持した。金委員長から「お友達」としての付き合いを要望される始末だ。兎に角ノーベル平和賞ねらいだろう。

予想していたことではあるが、日本政府にとっては難題を突きつけられることになる。小泉政権時はスポーツと政治は別物とサッカーチームを受け入れたが、今は状況も違ってきた。あの時の警戒体制をとるのは難しい。

「小心のロケットマン」、「汚い老いぼれ」とののしりあっていた2人が「ほほ笑み」を浮かべて初対面で握手する映像に世界はどう反応するか。共同記者会見が行われるか、会談途中でどちらかが席を立つか。

総花的合意で終わり、後は事務レベルでの交渉継続、やっぱり「非核化」は無理となる可能性も大きいのだ。

来月に予定されている日米会談も「拉致問題への協力」、「日米貿易赤字」の駆け引きになるのではないか。森友問題による安倍政権の弱体化はトランプ大統領に見抜かれている。

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