2018年4月30日月曜日

官僚の不祥事追求:国会審議より「合同ヒアリング」の方が面白い


野党要求が受け入れられず国会審議は中断しているが、官僚不祥事で野党議員と官僚で行われる「合同ヒアリング」の方が面白く、役立つのではないか。野党議員がそれぞれ交互に質問を浴びせ官僚が慎重に答弁する「合同ヒアリング」はさながら民主党政権時代の「事業仕分け」を思い出す。

野党議員は核心を突く質問をするが、審議官クラスの官僚の答弁は言質をとられまいと慎重だ。ダラダラ屁理屈を言ってはぐらかす手法は事業仕分けと変わらない。

与党には「国会で審議しろ」「職場放棄だ」「パワハラだ」と批難するが、国会審議が埒があかないから「合同ヒアリング」をやっているのではないか。

批判する前に国会審議のあり方を見直すべきではないのか。今の状況は「やらせ質疑」ではないか。質問者は予め質問事項を提出し、官僚が答弁書を作成、国会審議では棒読みする。万一、質問事項になかった事項では「予め提出されていなかったので」と答弁を回避する。総理や所管大臣がそんな事で良いのか。

「合同ヒアリング」ではどんな質問が飛んでくるか分からない。だから真剣勝負なのだが、最終決定は出席者では出来ない難点がある。

どうしてこんな事になったのかと言えば、国会改革での小沢さんの提案なのだ。

今までの国会審議で質問しても大臣が答弁出来ないときは「詳細は参考人に答えさせる」と出席している参考人に振る事が出来た。そこを「大臣は仕事をしていない。自分で答弁出来なければいけない」と言う事で大臣が答弁することになった。

そこで、分厚い答弁書を官僚に作成させ、委員会で棒読みする事になったのだ。小沢さんの改革は「人にはやらせて自分ではやらない」という悪評が立った事があるが、小沢さんが大臣になったことはないのでどうしたかは分からない。

又、NHKの国会審議を聞いていると、質問者はフリップを用意し、自分が質問することをわかりやすく資料を見せているが、大臣の答弁は何を言っているのか分からないことが多い。質問者は選挙区向けに工夫しているのだろうが対応する大臣の答弁もわかりやすくする工夫が必要ではないか。

国会議員や大臣は普段どんな仕事をしているのか。森友問題に関して麻生さんは経緯を余り知っていないようだ。5年も在位していて財務省で何が起こっておいるか把握していなかったのではないか。「安倍総理もそんな事をしているのか」「昭恵夫人の問題だろう」程度にしか思っていなかったのではないか。

希望を持って議員になった若手が述懐していた。

自民党は議員数が多いので希望の委員会委員にはなれない。したがって興味のない委員会の所属する事になる。委員会でも質問は先輩議員だ。結局の所、何をやって良いのか分からないと言うのだ。そこで仕事以外でがんばり不祥事を起こす。〇〇チルドレンと言われる議員は質も悪い。

自民党では大臣待機組が多いという。野党時代が長かったので大臣になるチャンスが減ったためとも言われているが、能力のありそうな人材は出払って待機組はなにかの問題を抱えているのではないか。失言で引責辞任後の新しい大臣も同じような失言をする。

「合同ヒアリング」を批判する前に今の国会審議のあり方を見直した方がいいのではないか。


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