2018年4月20日金曜日

安倍総理とそれを支える麻生さん、民意を離れて何をしようとしているのか


親の七光りの世襲議員の2人が政権のトップの座について5年、いったい何をやろうとしていたのか。一時は国民、若者の人気を得たが、今は民意を離れどうしたのかと疑問に思う。振り返ってみれば特段何もせず、官僚の引いたレールを走っていたほうがよかったような感じだが、その官僚も忖度政治でダメにしてしまった。

安倍総理の独善的政治手法が日本の統治機能を破たんさせたのだ。利益を享受したのは国民ではなく、安倍さんの悪友、大企業、戦略特区構想に群がる事業者、そして数%の富裕層だ。

政治としては当然だろうが露骨にやられると嫌になる。

日本経済の再生、デフレ脱却、日本会議、自民党の党是である憲法改正、安保法制整備で「日本を守り抜く」、規制緩和、戦略特区では森友、加計に見るように悪友に利益を享受、YESMANを集めての審議会で政策推進にお墨付きを与え国会審議を空洞化させた。

ゴタゴタの絶えない野党をつぶしにもかかった。解散意義も不透明なままに総選挙を繰り返し、小選挙区比例代表制という選挙制度で獲得票率以上の議席数を獲得し勝手で傲慢な政権運営をやった。

麻生さんというと、安倍さんの後を受けて2度目の登場も期待したのだろうが、今は宏池会の復活を目指し派閥の育成に力を入れる。いずれキャスチングボードを握るつもりだろう。でも今回の財務省の不祥事、事務次官のスキャンダルでは初動対応を誤った。5年間も財務相でいながら今回の事件を把握していなかったということは事務方から相手にしてもらえなかったということか。

消費税増税は財務省の念願だが、安倍政権の消費税先送りで財務省をおさえたことは安倍総理に評価されているのか。

しかし、横柄な態度、火に油をさす物言いは国民の目からは嫌気がさす。最近も「アベノミクスで経済は好転しているのに経営が苦しい企業は経営能力に問題があるのでは」と宣った。問題は需要不足ではないのか。

ところで、安倍政権の功績は何か。

円高から円安、株安から株高へ。アベノミクスの第一の矢である異次元の金融緩和では市場にお金を流すことで一時の成功を見た。でも世界では株安に注目し日本株に儲けを求める矢先のタイミングであった。何もしなくてもそういう動きが期待できたのだ。

こんな経済があったのかと思うリフレ経済、長いデフレからの脱出はいままで通りの政策ではダメと考え非伝統的手法を採用した。市場は一時期待し経済は好転した。

ところが正統派経済学者の指摘するように異次元の金融緩和は副作用が大きい。日銀が発行残高の40%、400兆円の国債を保有、株高も官製株価の様相を呈している。

前の白川日銀総裁も緩やかな金融緩和をしていたのだが、今から思えば白川さんの方がよかったのだ。

憲法改正も自民党の党是であり、岸元総理の念願だった。安倍さんが憲法を十分に理解しているとは思えない。自分が最初に改憲に手を付けたという実績がほしいだけなのだ。でも今は、防衛省の日報隠ぺい、シビリアンコントロールの問題が明らかになり憲法に自衛隊を明記することは無理になった。

辺野古移設問題も従来の決定に従って工事中であるが沖縄県民の反対にあっている。在日米軍の存在について議論を要するが、日本防衛の為ではなくアメリカのアジア政策で必要なことをトランプ大統領は認識すべきだ。中国の尖閣諸島近辺の領海侵犯は挑発行為であり断固阻止しなければならない。安倍総理も「国難」と言っているが米国から高額な兵器を購入しなければならないことも「国難」である。防衛費をGDPの1%以内に抑えていたが1%を越える事態になっている。

働き方改革は今国会での目玉政策で有り、働き方の多様性に期待出来ると言い過労死防止の効果があると言うが、逆のようだ。裁量労働の効果も謳われていたが厚生労働省のデータ不正が見つかり安倍総理は枠拡大を諦めた。しかし、既に実施されている労働裁量制は労働者の犠牲を強いているようだ。

娘さんを過労死させた母親がこんな法律では過労死は防止できないという。安倍総理は知っているのか。

消費税増税は民主党野田政権で決まり、安倍総理も一度増税したが、景気後退で2%物価目標も達成出来ない。そこで2度も先送りしたが次は避けられないようだ。税収増の道はこれしかない。一方で法人税下げ、大企業の優遇税制でツケは中小企業や弱い国民に廻ってくる。

消費税増税はその前の買いだめで以降の消費が伸びない。小売業はレジなどの対応に時間がかかり不満たらたらだ。軽減税率次第では税収の伸びも大したことはない。

2%物価目標にも拘る。これが達成出来なければ異次元の金融緩和策を継続すると言うが、2%達成は不可能だし、先進国の中央銀行も2%目標が達成出来なくても出口戦略に移っている。IMFも認めている。日銀は検討しているようだが公にするとアベノミクスの破綻を認めた事になり、安倍政権は終わりだ。

安倍総理のメンツだけで日本経済をダメにするのか。

内閣人事局は官僚が勝手気ままな人事をやっていた弊害が出て政治が関与することになったのは良いが、この制度を悪用し忖度政治が横行する事になった。その結末が今の財務省だ。

経済成長と財政再建、安倍総理は経済産業省を重用し成長路線を進めるが、財務省が言う財政再建は他の先進国からも重要課題として突きつけられている。成長路線では規制緩和でテーマは出てくるが従来のテーマとダブル、それだけ進んでいないのだ。更に戦略特区構想も持ち出したが加計学園のように安倍総理のお友達が受益者なのだ。

財政再建にはPBの黒字化と再建で年に40兆円の歳入増が必要になるが、そんなカネはどこから生まれるのか。1000兆円を超える借金と対GDP比200%超はギリシャより悪い。

相反する政策を同時に掲げる安倍政権はどうしようとしているのか。一般会計は30兆円もの赤字国債を発行し、景気対策に更に補正予算を組む。23兆円は全て赤字予算だ。公共投資などはダブっているとも言われている。
安倍政権でも借金は増えているのだ。

得意とする外交はどうか。急展開する対北では制裁強化から対話へと方針転換するが、日朝会談も覚束なく、近づく米朝会談でトランプ大統領頼みと来た。拉致問題で人気挽回を図ろうとトランプ大統領と首脳会談だ。「問題提起する」という言質をとりいい気になったが、トランプ大統領は対日貿易赤字を気にしている。安倍総理の「ほほ笑み外交」に痛烈に批判していたが「友人には変わりがない」という。

ところで本当に安倍総理夫妻は仲が悪いのか。昭恵夫人は手に負えない存在らしいが、トランプ大統領夫妻との映像では安倍総理と昭恵夫人は距離をとって歩いているし、トランプ大統領夫妻が手をつないでいるが安倍総理夫妻は別べつだ。

安倍総理は急遽トランプ大統領との首脳会談に訪米したが、入れ替わり麻生さんはG20,財務省・中央銀行総裁会議で訪米した。

この2人を世界のトップはどう見ているのか。求心力を失い瀬戸際の安倍総理、財務省の不祥事で引責辞任を突きつけられている麻生財務相は野党の反対を押し切っての訪米となった。

帰国後の政局がどう動くか。

考えてみれば何も特段のことはしないで成り行き任せの方が良かったということになりかねない。そうは思いたくないが。


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