2020年8月2日日曜日

豪雨洪水災害、新型コロナウィルス対策、巨大地震:専門家の少数意見は真実に近い場合がある、無視するな!


豪雨洪水災害、新型コロナウィルス感染、迫り来る南海トラフ、首都直下地震で専門家が集まって分析、対応の検討をしているがその中には少数意見もある。しかし少数意見と言って無視してはいけない。往々にして真実に迫っているのだ。

朝日新聞(2020.8.3)社説余滴で前田史郎さんの「気象庁OBの警告の重み」が目に付いた。

今回の熊本県をはじめとする九州の豪雨災害で気象庁長官が「実力不足だった」と謝罪した記者会見を覚えている。長く停滞する線状降水帯による大雨を予測できなかったというのだ。しかし、気象庁担当者が予想降雨量を200mmと示した数値に気象庁OBが「300~400mmも想定すべきだ」と指摘していたのだ。九州に勤務経験のあるOBは「1日に200mmの雨は珍しくない」ことを知っていたのだ。

そのOBは「もっと強く言うべきだった」と述懐していたというのだ。記事はOBの「第2の意見」が何故生かされなかったのかと問いかけている。

どうしても多数が集まる会議では多数意見が尊重され、少数意見は生かされないことが多い。

昔、西武の会長が言っていたことを思い出す。取締役会で全員賛成に事案は採用しなかったという。他の会社も同じように考えているからだという。

新型コロナウィルス対策でも同じようなことが言えないか。安倍政権は「専門家の意見を聞いて決める」が口癖だ。でも分科会の前には官邸側と調整しているのだ。官邸の意向に沿った分科会の結論になる。反対の意見は出なかったのか。新聞報道されると在野の専門家は異論を唱える。

YESMAN ばかりの分科会の助言を聞いていると感染防止対策に間違いが出てくるのではないか。

異端の学者が多数意見に反して戦ったSF小説を思い出す。

小松左京さんの「日本沈没」だ。学生時代に読んだ。まさか日本が沈没するとは思っていなかったが、主流派と戦う姿に引かれた。しかし、賛同者がいなければいかに正しい意見でもどうしようもないのだ。

今、実際に小笠原諸島の西之島で昨年末から噴火を再開し噴煙は8300m、島全体が火山灰に覆われている。地震情報では父島、鳥島近海ではM3~6の地震の発生、「緊急地震速報」が流れたが何故か空振りに終わった。

「日本沈没」も小笠原諸島北の小島が一夜にして海底に沈んだことから始まるのだ。地球物理学者の田所博士が小野寺という若者が操舵する深海調査艇に乗って日本海溝にもぐり調査するのだが、そこに奇妙な亀裂と乱泥流を発見する。おりしも伊豆半島付近では地震が発生、誘発されて天城山が噴火した。内閣は地震学者との懇談会を開いて意見を聞くことになった。田所は「日本がなくなってしまう」可能性を口にするが学者仲間の失笑を買うだけだったという。

政財界の黒幕の支持を得て、「D計画」が始まる。「日本列島は最悪の場合2年以内に地殻変動で陸地のほとんどが海面下に沈没する」ということになった。コンピューターシミュレーションでも日本沈没が迫っており、日本人を海外避難させ、日本は完全に消滅するという筋書きだ(日本沈没 Wikipedia)。

迫り来る南海トラフ巨大地震、その前に首都直下地震の発生が考えられている。その発生時期も諸説がある。少数意見も尊重し災害に備えるべきだ。



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