2020年8月5日水曜日

安倍総理の3つのレガシー?:「憲法改正」、「9月入学」、「敵基地攻撃能力」

安倍長期政権は政治的功績(レガシー)として何を残せるのか。安倍総理が野党を批判するときに使った「あの悪夢のような民主党」というが、民主党政権もいろいろあったが、政治的功績を残し今でも成果を出している。それに比べ安倍政権の政治的功績は見えにくい。むしろ「負のレガシー」しか残らないのではか。

特に今、新型コロナウィルス感染拡大防止で重大な局面でりながら国民の前で説明しない。国会を開かない、記者会見をしない安倍総理の姿勢が問われている。生活、事業支援策で失敗を繰り返し、GOTOトラベルなど社会経済活動に軸足を置く政権内にあっては不統一感が出てきた。

内政を見ると、「負のレガシー」が多すぎる。モリカケ問題は安倍総理夫婦による憲政史上まれなる不祥事件で、公文書偽造、隠ぺいは民主政治の根幹を揺るがした。「桜を見る会」、その「夕食会」は政治資金規正法、公職選挙法違反容疑で告発されたし、「安倍方式」は違反ではないと強弁する。

憲法解釈、法解釈も恣意的で集団的自衛権行使容認は閣議で解釈変更を行った。そんな安倍総理が憲法改正するというのだからお笑いだ。

今まで安倍政権下で起きた政治的不祥事が検察で不起訴になった事例が多い。背景には黒川元東京高検検事長が握りつぶした疑惑が出ているが、その黒川さんを検事総長にするために定年延長、検察庁法改正を目論んだが、賭けマージャンで消えた。

国会軽視も甚だしい。安倍総理が国会に出席する日数がい多いというが、野党との質疑がかみ合っていないから何度も質問にさらされるのだ。

何とか審議会など諮問委員会を重用しお墨付きを得て委員会審議を軽視し、国会審議に移し強行採決の姿勢が目立つ。

一方、得意とする外交も手詰まり状態だ。

北朝鮮との拉致問題は自分の内閣で処理するというが、実情はトランプ大統領に口添えを頼み、「今度は私が直接金委員長と向き合う」と言いながら北からは相手にされていない。

北方4島問題もプーチン大統領が曲球を投げてきた。ロシアの憲法改正で「領土分割」が
禁止された。例外があるらしいが4島返還のハードルは高い。

米国のトランプ大統領とのお土産外交での友好関係もビジネス次第が明るみになってきた。在日駐留米軍の軍事費の肩代わりを要求、今2000億円が1兆円近くになる。

トランプ大統領にお土産にプレゼントしたイージスアショアも技術的問題が明らかになり計画中止になったが、トランプ大統領は次に何を言ってくるか。北のミサイル開発、技術向上で日本本土をどう守るか見直しが必要になったが、自民党内では防衛族を中心に「敵基地攻撃能力」が議論されるようになった。専守攻防という今までの日本の国防を根底から見直す動きか。

さらにトランプ大統領の「アメリカ第一」は従来からの同盟国の関係に歪が生じ始めた。ドイツのメルケル首相、フランスの幕論大統領はトランプ大統領と距離を置き始めた。

安倍総理はどう出るか。トランプ大統領は再選されるか。ポスト安倍は誰か。

そう考えてくると、安倍総理のレガシーは「憲法改正」「9月入学」「敵基地攻撃能力」になるのか。

憲法改正では9条に自衛隊明記、緊急事態措置4項目が挙げられているが、国民の課題の緊急性は最下位、与党の公明党も「急がず」という。国会の憲法審議会も動かない。安倍さんは自分が最初に憲法改正で手を付けたことで満足するのか。

9月入学が新型コロナウィルス対策で休校が続き、つじつま合わせとは言えないが9月入学制度が出てきた。あまりにも唐突な対応であり、問題も多く、どうなるか。

敵基地攻撃能力も安倍総理は前のめりだが、日本国憲法下でどう意義付けをするか。まず総選挙で争点にすべきだが、自民党は負けがわかっていると争点隠しし、議席を得てから主張しなおす政党だ。

安倍総理としては憲法改正、9月入学制、敵基地攻撃能力を今後1年ちょっとの間にどう推進するか。

難しい安倍政権の末期だ。

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