2024年5月11日土曜日

火山本部発足:日本は火山列島でもある、巨大地震は火山噴火につながる

 

朝日新聞2014.10.3 火山列島(上)

日本は世界の7%の活火山を抱え、同時に地震大国でもある。首都直下地震、南海トラフ地震の発生が危惧され、その間に内陸での地震が多発している。いつかどこかで頻繁に発生する地震に対してその予知、防災対策で研究者への期待は大きい。

一方、火山噴火の研究はめだたない(?)。それでも富士山噴火、阿蘇山カルデラ噴火などが危険視されているが、突然に噴火した草津白根、常に煙を吐いている浅間山、御嶽山、阿蘇山、桜島など見慣れた風景は続くが、今は平穏だが何時大きな噴火をし、大きな被害が出ても不思議ではないのだ。

専門家が口にするのは、「懇請沖は9世紀に酷似している」というのだ。9世紀は日本でも大きな火山噴火、地震を経験したが、それが似ているというのだ。

いい例が2011年3月の貞観地震(896年)M9の再来だった。巨大な地震、津波災害は福島第一原発に押しよせ電源を失い放射能汚すが発生する悲惨な事故を引き起こした。政府の地震調査研究推進本部が2年前に貞観地震の来襲を予測し注意を喚起していたが、東電の経営陣はそれを信頼せず、対策を怠ったことが今裁判で争われているが、予見可能性がなかったというのだ。

警告を守って対策をしていれば、これほど甚大な被害は出なかっただろうと思うのだ。

処で、地震ばかりに気を取られているが、M9クラスの巨大地震が発生すると大噴火が起きることは「経験則」として知られているのだ。

東北地方太平洋沖地震発生時、地下のマグマの影響で富士山も噴火しても当然と思える山体の条件だったが、何かが不足して噴火までには至らなかった。

首都直下地震、南海トラフ巨大地震はM9クラス、万一発生すれば付近の火山の噴火が予測される。

政府は、地震防災に比べて遅れている火山防災の対応のために火山調査研究推進本部を設置したという。平時から地道な調査、研究をつづけ、緊急事態での防災に備えるというのだ。

思い出すのは有珠山噴火だ。もちろん北大で専門家が研究を続けてきた。マグマの動きも噴火の危険が迫っていたのだろう。地域住民にも情報を流した。実際に地域住民があらかじめ避難して難を逃れたきっかけは、地域住民が異変を察知して専門家に報告、避難の指示を出したのだ。

火山本部が研究をまとめ、専門家が調査、観測研究し、地域住民が常時監視し、異常をいち早く見つけることが火山防災でなのだ。

富士山も1707年の噴火以来、既に300年を超えている。いずれ噴火するのだ。いかにして生命を守るか。我々国民一人一人の問題意識なのだ。


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