2024年5月6日月曜日

今日の新聞を読んで(678):誤解を生まない地震発生確率の表現をどうすればいいか、理工系に限らず知恵を出せ

朝日新聞 2017.4.28

 地震発生確率の読み方は難しい。地震調査研究推進本部が発表した2017年の色分けされた「震度6弱以上のを見ると日本全国が0.1~3%のやや高い色分けだ。太平洋側、北海道東部の3~26%の高い地域に比べると安心感が出てくるのも当然だろう。

しかし、巨大地震の70~80%発生確率は「いつ起きえても不思議ではない」がいまだ発生せず。その代わり0~3%の内陸型地震は頻発し、大きな被害をもたらしている。

海溝型の巨大地震の発生間隔は100~150年と短く、災害調査も多いが、内陸型の地震の発生間隔は数千年単位で、地震発生後に調べると古文書にその記載があったという例が多くないか。地震学者も地方の豪族、神社などの古い記録からその地震の発生を確認している。

さらに発生確率も単純平均モデルにするか時間予測モデルにするかで確率が大きく異なる。南海トラフ巨大地震では、時間予測モデルにすると70%だが、他の地震と同様に単純平均モデルにすると20%になる。大きく違うので一瞬安心感が出てくるが、20%でもいつ起きても不思議ではないのだ。

天気予報と比べられるが、巨大にデータから予測する天気予報だと「今夕から雨」というと傘を持って出かける。天気予報との比較は本来間違っている。

天気予報と同じように地震予測も信じてあらかじめ準備することが重要なのだ。

私の住んでいる東京大田区は「首都直下地震の震源域」なのだ。大田区が活断層に近いのは立川断層だ。20㎞離れている。これが動くのかと思ったら違うのだ。大田区と品川区の境目付近の地下50㎞のプレート内断層が動き、東京の中央に大きな被害をもたらすのだ。

だからと言って安心はできない。首都直下地震の震源域は千葉県、埼玉県、神奈川県、東京都と広い範囲が震源域になっているのだ。

もうかなり前だが、メデイアが立川断層に注目していた時に立川を訪問した時がある。どこにも表示がないがこの下を断層が通っているというのだ。立川市役所に言ってきくと「立川断層が実証されているわけではない」という。余り騒がない方がよさそうだったが、今はどうなっているか。

地震発生確率が低いことをアピールし工場の誘致を狙っている自治体もあるが、日本全国安心は地域はないのだ。熊本も誘致を誘っているが、熊本地震が発生したことは最近のことだ。

発し確率70~80%でいまだ発生せず、0~3%で頻発していることを考えるとどこでも地震の発生は覚悟すべきなのだ。

理工系の地震学者などの研究に注意するとともに、人文化学、社会科学系の研究者も地震の危険を国民に発することが重要ではないか。

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