植田総裁の円安に対する考え方が変わって来た。4月27日には「基調的物価上昇への影響は問題ない」と発言していたのが半月後の5月8日には「影響を及ぼす」と8日の講演で「過去に比べると物価に影響を及ぼしやすくなっている」と前言を翻した。
4月後半は為替は一時160円台、1990年来の34年ぶりの水準だったが8日は155円台、FRBが利下げなしと言うことで150円台を維持している。
經濟界でも160円は厳しいと言い出した。各企業の当初の為替予想は140~145円だ。企業の決算を見ても輸出企業などは円安の恩恵を受けトヨタは空前の利益を上げている。よく言われているのが1円動けば年間450億円の増収になるのだ。
34年前の為替160円で1990年と現在の経済力を比較した(朝日新聞2024.5.3)の記事に日米の金利を併記してみた。
1990年 現在
為替 160円 160円
物価上昇率 2.8% 2.8%
平均株価 29538円 37438円
実質実効為替レート 119.86 70.98
実質GDP成長率 4.8% 1.9%
金利 日本 4~6% 0~0.1%
米国 約8% 約5%
株価は当然に上昇するが、実質実効為替レートは6割減で弱くなっている。GDP成長率も低く、言われているように「失われた30年」だ。当時の金利を日米で比較すると、1990年は米国の半分だったが、現在は大きな金利差で円安の要因になっている。
円安→物価高を考えると日銀は金利を思い切って上げるべきだ。例えば2%程度だ。経済のあらゆる分野に大きく影響するだろうが、利上げが遅れればそれだけ影響は大きいのだ。
経済界も「金融政策の正常化」を望んでいる。だから今こそ大幅な利上げの時期だ。すでに8兆円の介入をしているというが、一時は円高になるが直ぐ円安基調の戻る。外貨準備基金で200兆円あるというが、現金は24兆円残りは米国債と言う。
現金のうち8兆円を使っているので残り16兆円での為替介入攻防になる。米国が利下げをすればいいが、米国経済は堅調でインフレ気味だ。直ぐには利下げしないだろう
予定としては3度の利下げと言っていた。1っ回で0.25%下げるとすると3回で0.75%の利下げとすると4.25%程度か。
米国が4~5%の金利で日本が2%程度の金利でどうか。
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