2022年6月14日火曜日

日本の成長戦略は構造改革:従来のマクロ経済から家計、企業を主体のミクロ経済へ

 

アベノミクスの「三本の矢」から日本は成長戦略に乗ったかと思っていたが、当初は成果もあったが、根本的には対策になっていなかった。同じ経済環境にありながら欧米はインフレ対策で緩和縮小、利上げに向かうが日本は置いてきぼりで世界の政策に乗っていけない。 

異次元の金融緩和の成果が出ないのは、日本経済の質が変わったのか。それとも安倍政権の急激な緩和策のためか。民主党政権時の白川日銀総裁の緩和な緩和策なら効果はどうだったか。実験ができないのは残念だ。 

米国では経済界の動きもあった。グローバリゼーションでの株主第一主義を止めて従業員、地域社会に貢献する企業を目指すという。これならグローバリゼーションで失われた古き日本式経営が復活、少子高齢化にも貢献できるのではないか。 

岸田総理は「新しい資本主義」を唱えているが企業の在り方、家計への分配のルール作りが大事ではないかと思うが、「成長から分配へ」と成長路線に方向転換だ。 

マクロ経済の方が政府としてはやりやすいか。 

そんな時、読売新聞(2022.6.12)の書籍紹介で「日本経済 成長志向の誤謬」( 神津多可思氏著 日本経済新聞)が目についた。 

神津さんは、アベノミクスの「3本の矢」では日本経済は良い方向に向かっているという実感がわいてこないという。構造改革が徹底されないまま、金融緩和や財政出動などマクロ政策で一気に浮上させようとしても「ないものねだり」でこの構造改革の遅れが、日本経済の「不振感」の源と言う。 

そこで、持続的成長が期待できない「古い需要」に対応した供給構造から、政庁を生み出す「新しい需要」に合致した構造への転換を強力に進めろと言う。そのためにはミクロの分野に踏み込めというのだ。 

正論だと思う。日本はもはや成長社会ではない。世界に先駆けた低成長の成熟社会ではないかと思う。そのためには少子高齢化、縮小する市場、労働人口減少での経済の運用などへの政策が重要になる。 

働き手が少なくなる家計にあって生活を維持するための「分配」、物価上昇に追い付かない賃上げへの対応、岸田総理は家計に眠っている巨額の資金を投資に回せという。しかし国民皆が金持ちではない。 

とりあえずは円安対策だ。今1ドル135円と30年前のレベルと言う。「上がれば上がるで困り、下がれば下がるで困る」為替だ。今為替は国の経済力を反映した動きではなく、米国との金利差での動きだ。欧米がインフレ回避で利上げに進み、日本が相変わらずの低金利政策を取ると金利差で円安が進む。 

為替介入もできず、円安を回避するには日本も利上げすべきだ。それしか手段はないと思うが・・。 

日本に必要な政策は企業の在り方、分配のルール作りではないか

 

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