日本経済新聞 2019.8.20 |
あの良き日本式経営が復活するときが来たのか。
終身雇用、地域社会と密着した「良き日本式経営」がアメリカ式経営に翻弄され「株主第一主義」を掲げて久しい。日本のメデイアもアメリカ式経営で株価を上げる企業経営者が高く評価された。
我が国でも政府の政策は法人税下げ、富裕層への優遇税制で支持を得てきたが、一方で格差拡大、国民の所得は伸びず、消費も不振が続く。目標の脱デフレ、2%成長率達成も覚束ない。
安倍政権は賃上げを経済界に訴えたり、最低賃金の上げを政策に謳っているが経済界の動きは鈍い。中小企業にとっては経営の足を引っ張りかねないという。
株価もトランプ大統領のツイッター発信で市場は右往左往し、大きく上下動する。日本の経済状況より欧米の経済事情に大きく影響される社会に変わった。
巷では昭和時代の社会生活が見なおされているというが、「あの良き日本式経営はどこに行ったのか」と思う国民も多いはずだ。私もその一人だ。
ところが「株式第一主義」のアメリカの経済界が変わろうとしているのだ。従業員や地域社会にも配慮した事業運営に取り組むというから驚く。その背景には民主党急進左派の躍進があるらしい。米国の経営者に危機感が募っているのだ。
日本経済新聞(2019.8.20)電子版「米経済界 「株主第一主義」見直し従業員配慮へ」が目に止まった。
それによると、米国のトップ経営者181人が集まる経済団体であるビジネス・ラウンドテーブルが19日、事業運営の転換を提言したのだ。
米国でも株価、配当は投資家の利益になるが格差も拡大し大企業が批判されているらしい。そこで最低賃金の引き上げ、すべての利害関係者への利益を配分するというのだ。「資本主義のかたち」が変わり「企業は主に株主のため」から「従業員や地域社会への投資」になる。
アメリカでも税制改革で企業の利益は上昇、一方で賃金の伸びは低い。政府と言うものは支持を得るためにはどうしても大企業、富裕層向けの政策に走りやすい。
一方、政策から疎外されていた国民が目覚めポピュリズムの台頭になった。米国の経営者も危機感を持ったのだ。
日本の経営者も「良きあの時の日本式経営」を取り戻し、少子高齢化へ日本社会を支える企業経営を取り戻さなければならないのではないか。
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