2019年8月5日月曜日

世界の中の日本:アメリカ頼みの外交に限界? 日米安保、憲法改正の行方?


世界の中の日本はどうあるべきか、アメリカ頼みの外交も限界を感じる。トランプ大統領の米軍駐留費5倍増額、日米安保の片務的内容発言から日米安保のあり方がクローズアップされるとともに安倍総理の目指す憲法改正推進は、世界での日本の立ち位置を変えようとしているのか。

日本に対する近隣諸国、中国、韓国、ロシアの対応を見ると「何をやっても日本は強く出てこない」という安心感から好き勝手なことをやられている。軍事力を持たない日本は、力には頼らず国際法をよりどころにしているが相手国が応じなければ何の効果もない。

中国とは首脳会談でにこやかに握手する姿は見えるが、尖閣諸島領海侵犯は増える一方で日本の漁民の安全は保てていない。日米安保で尖閣諸島も「日米安保の効力が及ぶ」と米側に発言させたことも、安倍政権が頼み込んでのことだったらしい。東シナ海の海底油田開発も中国の一方的な行為だ。これらの違法行為に対して日本は口頭で注意するしかない。

日韓関係も元徴用工問題、「ホワイト国」からの除外などで関係悪化が激しいが、竹島問題は力づくでの領土侵犯だ。先のポンペオ国務大臣、河野大臣、康外務大臣による外相会談でも米国の仲介はなく、日韓で対応を迫られる結果になった。

不発に終わった原因は、韓国がアメリカに仲介を頼んだが日本は仲介を依頼しなかったらしい。国内問題もあり安倍政権が強い姿勢に出たのだ。

対ロシアの北方4島返還問題も平和条約締結後に2島返還に方針を変えたようだ。後の2島は断念するのかと問うと「4島返還に変わりはない」と安倍政権はいうが、詳細な説明はない。プーチン大統領との首脳会談も2人だけの会談時間も設けての交渉らしい。

ロシアの島民もロシアの政権も4島返還はないという。では安倍政権の開発の経済支援は何なのか。騙されて開発資金だけせびり取られているのか。

最近は在沖縄米軍の存在を持ち出して、2島返還後にアメリカが基地を建設するのではないかと危惧しだした。

そして従来の日本外交の前提を覆しかねない事態が出てきた。日本の政権は政権基盤の強化は「日米安保の固い絆」に頼っている。そのためには何でもやる。自民党の総理はまず、アメリカ詣でだ。安倍総理のゴルフ外交は他国の首脳もうらやむほど(?)だったし、麻生総理のときは時間が取れないにもかかわらず強引な日帰り訪米をやった。政権が危なくなるとアメリカ頼みだ。

その安保条約にトランプ大統領が噛み付いた。内容が不公平で「片務的」と言い出した。米国は日本を守らなければならないが、日本は米国を守る必要なないと不満を言う。

さらには、在日米軍の駐留費の5倍増額を打診してきたらしい。日本は今、年間約2000億円の「おもてなし予算」などを組んでいるが、応分の負担をしなければ撤退もあるとけん制した。

他にも対中国、北朝鮮の核ミサイル発射を防衛するために巨額の軍事費でアメリカの兵器の購入を約束しその額は5兆円を超える。

一方で、何かことがあるとカネを出せば済むと思っている日本に、親日家のアーミテージさんに「ショー・ザ・フラッグ」と忠告されたことで時の橋本政権が右往左往した。巨額のカネだけ出しても軽蔑されるだけの結果に終わっていたのだ。「人を出す」、「汗をかくこと」が必要と考えられるようになった。

為政者にとっては憲法9条は国際協力を考えると集団的自衛権行使の足かせとなったが、99年には周辺事態法で自衛隊による米軍の後方支援が可能になったが、それも日本の周辺地域に限られた。

これがきっかけで海外での自衛隊の活動をなし崩し的に広めて言った。安倍政権で15年には安保関連法案も成立し、集団的自衛権行使も閣議で憲法解釈を決めた。

そして、今回の参院選で安倍政権は「憲法改正審議を前へ進めるか、後退させるか」の政党を選ぶことを争点にした。自公で2/3の議席は無理だったが、安倍政権は審議推進を目指す政党に手を伸ばしている。

「審議を進める」、「自民党草案を紹介する」「自民党草案にこだわらない」と安倍総理は言うが、どんな草案が出ているのか。

船田さんや石破さんらが検討した自民党案は戦争放棄→安全保障、9条2項を削除し新たに自衛権の発動を妨げるものではないとする。また新しく9条の2に「国防軍」を設置する案だ。

これに対して安倍政権の考えている自民党草案は、9条1,2項を維持したまま自衛隊を明記するのだ。

必要な自衛措置を取ることを妨げないとし、「そのための実力組織として内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」という内容らしい。自衛隊は戦力ではなく自衛隊の存在は合憲という考えだ。

憲法改正へのハードルは高い。国を二分する事態になり国民投票が実施されるかは不透明だし、周辺国も第二次世界大戦を取り上げて猛反発するるだろう。今までもそうだった。

日本の立ち位置が内外で問われる。慣れ親しんだ米国追随の外交の転換点になるのだ。

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