2019年8月30日金曜日

ジョンソン新首相、英議会閉会:これが議会制民主政治の模範国か


EU離脱で揉める英議会を新しく就任したジョンソン首相が1か月も閉会にし野党の「合意なき離脱」阻止する行動を封じる手段に出た。これによりEU離脱に対する国会審議が出来なくなる。残り1カ月では野党の国会手続きも困難になるらしい。

議会制民主主義政治の模範ともいわれる英国議会は、国を二分するEU離脱で混乱を増している。

日本だって他人事ではない。安倍総理だって野党の要求する国会開催を拒否し、開会した途端に解散総選挙に打って出た。更には安倍政権下で憲法改正を目論んでいる。まずは国民投票だが国を二分する大きな課題だ。やり方、判定によっては英国と同じ状況になりかねない。しっかり検証すべきだ。

そもそものつまずきは、十分な情報も与えないでEU離脱の是非を決める国民投票を実施、確か51:49という僅差でEU離脱が決まった。国民投票の多数決判断は難しい。当時の新聞に「やってしまった」という国民のコメントが載っていたのを思い出す。

最近読売新聞の「経済学×現代」でケインズの「美人投票」が載っていた。

「自分は本当はAと言う人がいいと思うが、他の人はBと言う人だろうと考え、Bに投票する」という理論だ。これからすると、「本当はEU残留がいいと思うが、他の人はEU離脱だから、今回はEU離脱に賛成しよう」という考えだ。だから「やってしまった」と言うことになる。自分の考えをしっかり主張すべきだったのだ。

この議会封じのジョンソン首相の判断を英国の専門家は「違法ではないが異常で不適切」と評する。普通1週間ぐらいの警戒だが1か月は長すぎるのだ。議会活動を封じる危険な賭けに出たのだ。

ゴタゴタする英議会でメイ前首相は「これでもか これでもか」と対応策を議会に提出したが拒否されどうしだった。

議会もおかしい。たとえ反対だろうが一度EU離脱が決まればそれにそう動きをしなければならない。

広域圏での経済統合は出来ても政治面では自国の主体性が失われる危険がある。これは我慢が出来ないことだろう。今後もEU離脱は続くだろう。

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