2019年8月19日月曜日

国連の役目も縮小傾向か:国連分担金3位でも常任理事国になれない日本の意義

日本にとって国連の意義はあるのか。国連分担金3位でも常任理事国になれない日本。アメリカは「アメリカ第一」「保護主義」を唱えるトランプ大統領は多国間交渉から二国間交渉を優先し国際協調路線から一歩退く。ロシア、中国は常任理事国で世界の安全を確保しなければならないにもかかわらず自ら安全を侵す当事者になっている。さらにはアフリカ勢の台頭で先進国vs新興国の様相も呈してきた。

各国の国連分担金
            分担率  分担金
     アメリカ   22%  6億7420万ドル
     中  国   12   3億3470
     日  本    8.6 2億3880
     ドイツ     6.1 1億6980
     英  国    4.6 1億2730
     フランス    4.4 1億2340
     イタリア    2.9    8220
     カナダ     2.3    7620
     ロシア     2.4    6710
                  外務省資料 2019年による

分担金はその時の国のGNIなどに基づき決めているようで日本は第3位、常任理事国である英国、フランス、ロシアを上回っとぃるが国連では常任理事国にはいれない。

さらに悪いことにアメリカなど81か国が分担金の未納で事務総長は「現金が底をつきそう」と納入を訴えているほど国連活動にも支障をきたしているようだ。

一方、国連ではアフリカ勢が193か国中54か国になり、アフリカが2か国の常任理事国入りを目指している。一方日本はドイツ、ブラジル、インドとG4グループを形成し、アフリカ勢とともに6か国が常任理事国入りを目指したが失敗した。 

原因はアフリカ勢の内紛にあるらしい。日本の安倍総理は今まで総理が言ったこともないアフリカの国を頻繁に訪問しているのも国連常任理事国入りを目指した働きかけなのだろう。

国際協調を求める国連の活動もトランプ大統領の「アメリカ第一」「保護主義」で様子が変わってきた。

イランの核合意からの離脱、制裁強化、地球温暖化でのパリ協定からの離脱、多国間交渉より二国間交渉を重用し今まで築いてきた国際協調路線から逸脱している。さらに分担金第1位の立場から国連改革を求めているがなかなか進まないようだ。

北朝鮮の非核化を求めた安保理制裁も弾道ミサイル発射などで違反し米国の閣僚は危惧するがトランプ大統領は気にしていないようだ。

ロシアは常任理事国でありながらクリミア半島問題を起こし、中国は東シナ海、南シナ海で領海侵犯、違法な海洋開発行為で軍事基地の建設を進め近隣諸国から猛反発を受けているが常任理事国で審議しても拒否権を行使すれば何の成果も出てこない。

常任理事国自ら世界の安全を害する行為をやっているのだからどうしようもない。

また、何時もあることだが先進国vs新興国の構図だ。PKO活動は予算の分捕り合戦ではないのか。PKO活動などアフリカ勢の意向を無視できなくなってきた。

もうあのような武力を行使した世界大戦は起きないだろうが、これからは経済戦争だろう。二国間交渉による米中貿易交渉は世界のGDOP第1位と第2位の国の間での経済戦争だ。これが世界経済で大きなショックを与えようとしている。セーフテイ―ネットも整備され世界恐慌まではいかないだろうが新しい戦争の形態だ。

国連常任理事国で拒否権が使えるようでは仲裁など不可能だ。おまけに常任理事国自身が当事国になっていてはどうしようもない。

トランプ大統領の出現で先進国の協調は崩れる傾向にあるが、気を付けなければならないのは、そこを中国がくさびを打ち込み共産主義の覇権拡大を狙ってくることだ。

国連の存在が変わる時期に来ているのか。アメリカの脱退がターニングポイントになるか。






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