齢をとると昔のことが夢の中に出てくる。そして「ハッ」と気が付き目が覚める。楽しい夢もあるが怖い夢もあった。しかし、意外なことか、熟睡すれば夢を見た覚えがない。
そんな時、面白くかつ怖い本を読んだ。「銀河の片隅で科学夜話」(全卓樹薯 朝日出版 2020.2】の中の「思い出せない夢の倫理学」だ。
人は起床直後に直近30秒ほどに見た夢を覚えているのが常で巨大な夢も一瞬のような時間に圧縮され、それ以前の物は忘れ去られてしまう。京都大学脳神経科学者である神谷先生の研究だそうだ。
しかし、眠っている間の脳の活動は脳信号解読で解析されコンピューター上で再現できるという。
夢のイメージが抽出されているのだそうだ。
ところが思い出されない夢もイメージとして残っているのだとしたら本人の気が付かないうちにデータとして誰かのコンピューターに蓄積されていることは恐ろしいことだ。
この抽出技術は各国で研究され他人の脳の「イメージ」「言葉」「概念」「理念」が身体的媒介(声を出す、目くばせする」「キーボードをたたく)せずに別の人の脳に直接伝えることができるのだという。
例えば「ナイフを持った人魚がいた」という夢だとイメージとして「ナイフ」「女」「水」が抽出されるのだそうだ。
思い出すのは量子論で「同時に2か所に存在するという「不確定性原理」だ。素粒子の位置は同時に2か所にそんざいできるという。
量子論の世界はSFの世界だが、夢は身近の現実か。いや待てよ 量子のテレポーテーションか。
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