安倍氏亡き後、自民党保守派はリーダーが見当たらずリベラル派の岸田総理にどう対抗していくかが課題になっているという。西欧の政治、経済とは潮目が違う日本、今必要なのは「保守」か「リベラル」か。いや、どちらでもない必要なことをやるだけか。「保守」とは日本の伝統や考え方を守り子々孫々まで安定した社会を築くといえば「リベラル」とは政治的に穏健な革新を目指す因習にとらわれない政治姿勢だ。
そうなると「国を守る」「国家安全保障」「戦略策定」「集団的自衛権」「積極的平和主義」を唱え実施した安倍元首相は「保守」、池田勇人の宏池会に通じ、刑武装、経済重視の岸田総理は「リベラル」と見られている。
しかし今、岸田総理は防衛費対GDP2%、約10兆円を目指すと言うし、専守防衛、敵基地攻撃能力を議論、経済ではコロナ禍にあって海外の観光客の招致、疲弊する観光地、業者を支援する政策などを打ち出している。物価上昇は3%を超えたが、賃金上昇を伴なっていない。量的緩和を日銀は継続だが政府はどう考えるが。
経済はリベラルばかりでなく保守にも重要な課題だ。
民主党政権時でもデフレからの脱却は出来ず、円高、株安に悩んだ。円高は国の経済力を反映すると想っていたが、円高はそうでもなかったのだ。
そのアベノミクスの功罪について朝日新聞(2022.11.15)オピニオン&フォーラム「アベノミクスの功罪」 佐伯名誉教授インタビュー記事で知ることが出来る。
物価高、世界最悪の債務、そして巨額な経済政策の日本で、従来は民間任せであった日本で、安倍政権が米国の国家資本主義をまねしたのがアベノミクスだという。アベノミクスの批判はできるが、他にどんな政策があったかと佐伯さんは言う。
そして、アベノミクスは成功とはいえないが、第3の矢の「成長戦略」が作れなかった。そして第一の矢「異次元の量的緩和」、第2の矢の「機動的な財政出動」はやらないという選択肢はなかったというのだ。
よく言われるのが日本がアベノミクスをやらなくても世界景気の潮流は日本経済の好転にあったのだ。ついていただけと言う見方もあるが、パッとした成果はなかった。だから量的緩和を支援したエール大名誉教授の浜田さんだって「雇用が改善したのだからいいだろ」と言い出すほどだ。
佐伯さんは「日本社会は限界まで来ているのだから余計なことはしない方がいい。今ある状態を維持することしかできないだろうというのだ。それを「保守」とすればアベノミクスの安倍さんは「リベラル」になる。
「保守」の安倍さんには日本の将来像を示してほしかった。安倍さんにしかできないことだった。経済は復活せず、日本の政治は世界から信頼を宇スなった。それは社会が劣化したためだという。日本社会が何をやってもうまくいかなかったところまで来ていたというのだ。
保守派の安倍さんが日本経済再生を目指し「リベラル色」を出してきたがうまくいかなかった。逆に「リベラル派」と思われる岸田総理が国の安全を守るために防衛の強化を目指し「保守派」と思われる防衛費のGDP比2%枠を提案してきた。
佐伯さんは言う「西欧が生み出した近代社会を理解し、本当に日本に持ち込むことができるか。その時は保守もリベラルも関係ない」と。
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