安倍元総理がアベノミクス第一の矢で「異次元の量的緩和策」を打ち出し日本経済の再生を目指した。そして日銀総裁に量的緩和策を実行する黒田総裁を選んだ。当初は効果もあったが、次第に副作用が目立ち、市場は混乱、銀行経営にも支障をきたす結果になった。
安倍元総理生存中は表立って量的緩和に反対するものは少なかったし、日銀から出てくる情報は量的緩和策の継続しかなかった。
しかし、安倍元総理亡き後、新聞などに日銀の元理事たちからアベノミクスには反対だった意見が続出した。日銀内にはこの非伝統的金融政策には反対だったのだ。勿論、主流派経済学者の間では不評だった。
海外でも量的緩和策を実施したが、イオンフレが進むと見ると縮小し、利上げに踏み切った。非伝統的金融政策だから長期の適用は禁物だったのだ。その代わり身の速さは日銀には期待できない。
確かに海外も物価上昇2%を掲げたが、日本はなかなか2%を達成できずいまやと3%越え、エネルギー分野を除いても2.5%の上昇だ。すでに安定的にクリアーしているが賃上げなどが伴わず求める目標値ではないと黒田さんは言い張る。
29日の朝日新聞で、決定会合での委員の意見が公表された内容の記事が出ていた。
○市場機能を改善するために長期金利の上限を引き揚げる、○金融緩和の出口に向けての変更ではないなどが決まった。
一方、黒田氏の下で長期化する金融緩和について「いずれかのタイミングで検証を行い、効果や副作用のバランスの判断が必要」と言う意見が出たらしい。
政策委員もリフレ派委員一辺倒から新しく送り込まれた2人の正当派委員の混在になった。新しい委員の中に見直し論がある。そして来年春にはリフレ派の黒田総裁が任期切れだ。
それでも黒田さんは「物価が安定的に2%上昇目標実現まで点検と出口の検討と言うには時期尚早」と言う。
前の白川総裁は安倍政権が送り込むリフレ派委員を見て、任期を残し日銀総裁を辞任した。黒田総裁も岸田政権から正統派委員が送り込まれているのだから、任期を残し辞任したらどうか。自分のメンツだけの話ではない。
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