2023年7月26日水曜日

東電株主訴訟第2審始まる:長期予測をどう考えるかだが、旧経営陣の責任大だ

 東電福島第1原発事故で株主が旧経営陣5人に対して22兆円の賠償を求めた株主代表訴訟は1審で厄13兆円の支払いを命じたが、その第2審が始まるという。

第1審では「巨大地震を予見できずに対策を先送り」と判決した。2002年の「長期予測」の信頼性が争点になったが旧経営陣は信頼性が低いと主張する。2011年に巨大地震が来襲し合ってはならない被害を出したが「想定外」という。

長期予測を出した専門家もまさか10年後に実際に巨大地震、津波が襲ってくるとは思っていなかったか。今世紀の自然災害は9世紀に酷似していると専門家は言う。869年には今回と同じ貞観地が発生しているのだ。

日本への原発導入は拙速だった。中曽根さんは推進を急いだ結果、米国式の設計で東電が第1号機を導入した。亡くなった理論物理学者の武谷先生は、急がず、日本式の設計を検証すべきだと言っていた。地震対策が欠如していたのだ。地震が多く、津波が発生する日本では津波対策、非常用電源は高台に設置するなど工夫が必要だったのだ。

東電が原子力発電のリーディングカンパニーになった。技術は東電の右に出る者はいなかった。監督官庁だって東電に「お伺い」を立てなければ何もできなかったのだ。

原発という巨大施設を設置し運転する事業者には特段の安全対策実施が要求される。「やっても効果がなかった」というのなら「やって」から言うべきだ。

結果からいろんなことがいえるが、東電旧経営陣の責任は大きい。

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