円相場の推移 出典:メモするのを忘れた |
安倍総理はインフレターゲットの設定、強い金融政策を訴えて「第一の矢」を放った。市場に出回る円の通貨量が少ないから円高であって、通貨量を増やせば当然に円安になるというマネタリ-ベース増加論を打ち市場は期待感から円安、株高に。
2011年頃は75円だった円が今は109円台、1時は110円台まで円安が進んだ。9月の米国の雇用統計改善で円売り、ドル買いが見られたが、利益確定で円買い、ドル売りと激しく動く(10月6日。市場に踊らされている感じだ。
今までの変動の要因は、欧州経済危機、地政学的リスクでは安全資産として円が買われ、米国の雇用統計の改善、景気回復で円売り、ドル買いだ。FRBが量的緩和を終了し金融正常化に向け利上げのタイミングを計っている状況下では円安、ドル高の傾向が続くだろう。
株価も市場は儲けに向けてチョットした変化でリスクオン、リスクオフを繰り返し、かえって世界経済を混乱させている。経済を安定化させようなんて考えてはいない。
欧州経済動向、米国の市場の動きに大きく左右される。
日銀の黒田総裁は予算委員会で「今までの円安が日本経済全体にとってマイナスにはなっていない」という(読売新聞 2014.10.9)。これからも円安に進む状況は考えられないとも言ったようだ。
大企業はプラス、中小企業はマイナスでも全体的にいえばプラスに働いているという。
大企業はプラス、中小企業はマイナスでも全体的にいえばプラスに働いているという。
「日銀の円安容認?:悪い経済循環でも2%物価上昇が達成出来れば良いと言うことか(2014.10.05ブログ掲載)」と言うことになる。
国会予算委員会で安倍総理は、アベノミクスの成果を強調したようだ。
代表質問で海江田さんはじめ野党は賃上げはあったとしても円安で物価は上昇し「実質賃金はマイナスが続いている」と攻めると、安倍総理は「雇用者所得は上昇基調にある」と別の経済指標で反論した。「かみ合わぬ代表質問:アベノミクス評価で経済指標の共有を(2014.10.01ブログ掲載)」と言うことになる。
しかし、最近は新聞報道を見ると「実質賃金のマイナスは間違いない」と認めているが、「マイナス幅は縮小している」と弁解する(読売新聞2014.10.9)。
株価は15000円台で低迷、円安は物価上昇を来たし消費は低迷、消費税8%への増税の後遺症は改善しないまま10%への決断が迫っている。
財政再建と相まってアベノミクスへの批判が高まって来た。「アベノミクスの欺瞞:財政再建か、経済成長か」でも、待っているのは円安不況?(2014.10.02ブログ掲載)」と言うことになる。
一方、「経済成長率を上げろ、インフレ誘導をしろ、公共事業を増やせ、生産性を高めろというのは大間違いで経済は「人口の波」だ」と主張する藻谷浩介さんが、金融緩和と円安誘導するアベノミクスが「日本経済を破壊する危険がある」(FRIDAY 2014.10.24)と持論を主張し、安倍総理と敵対しているようだ。
読んでみたが説得力がある。
今、円安換算の経済指標ではなく、ドル換算で日本の経済の力を見たとき株価は140ドル台で変動は大きくなく、市場は「150ドル」で売りだと言うことらしい。
GDPも中国と比較するとドル換算では1/3位で、そんな日本をまともに相手にしてくれる国はないと言う専門家もいる。
根拠の乏しい円相場で経済指標を評価するのでは、本当の日本の経済は分からないと言うことなのか。
野党は、マイナス経済指標を使って安倍総理のアベノミクスを攻めるが、安倍総理は「円高だった2007~11年に国民所得は42兆円減少したが、政権を取って円安に変わって以降は11兆円プラス」と反論する(読売新聞2014.10.9)。
これも根拠の薄弱な円相場での円換算の結果なのか。
「市場の見えざる手」と言い、「行き過ぎた経済は市場の働きで正常に戻される」と習ったが、市場は金儲けにどん欲でそんな力はなさそうだ。
消費税増税に向け日本経済の現在を正確に把握する必要がある。
安倍総理、野党・民主党の海江田さん、一貫してアベノミクスを批判する藻谷さん、内閣参与で消費税増税の先送りを主張する本田さん、経済財政諮問会議で安倍総理をヨイショする民間委員で一度公開討論会をやったらどうか。
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