2014年10月31日金曜日

小渕さんが圧倒的強さを誇る群馬5区:強力な対抗馬が出ず、お山の大将だったか

「政治とカネ」に大揺れの小渕さんだが、選挙区である群馬5区では、これと言った対抗馬がおらず圧倒的な強さを誇るお山の大将状態だった。当然、政策や選挙で切磋琢磨する必要はなく、旧態然とした選挙運動をしていればよかった。そういう環境が今回のような政治資金規正法違反疑惑が出てきたのではないか。

私も40年近く中選挙区制の群馬3区、ついで小選挙区制の群馬5区に住んでいた。小渕さんに投票した記憶はないが、小選挙区制になって区割りの見直しがされた結果、生活圏の違う町村と一緒になったために選挙からも足が遠のいた経験がある。

5人定数の中選挙区の時は、福田、中曽根、小渕の3人がトップ当選をねらって激しい選挙戦を繰り広げていた。

福田、中曽根さんの間で小渕さんは「ビルの谷間のラーメン屋」と言ったそうだが、私は「一輪の花」と聞いたことがある。

小渕さんが初めて立候補した時、中曽根さんが「小渕さんに票を一部譲ろうか」といったエピソードは、私も何回か聞いたことがあるが、ある時は立ち会い演説会で「小渕さんに負けたら私は目がないんです」と言ったことがある。何かの原因で中曽根さんが最下位の予想が出ていた時だ。総理を目指そうとするときに小渕さんに負けて最下位は屈辱だったのだ。この時は中曽根さんは2位ぐらいで当選したと思う。

自民の3人が激しく競り合うので「総理が出ても何もいい事はない」と有権者は公共事業などをもってこなかったことを悲観していたが、3人のうちで誰かが公共事業をもって来ても他の2人が「俺が持ってきた」と言いふらすので、だれも公共事業をもってこないんだという話を聞いたこともある。

でも中曽根さんが原子力研究所をもってきたぐらいだ。高崎市内の17号線と18号線が交わるところは長く渋滞が起きていたがさいきんになって解消工事がされた。

高崎、前橋などの都市を含んでの選挙区では強力な対抗馬で選挙も活性化するが、小選挙区になり約30万人という有権者数の数合わせで区割りをされると、山間部の田舎選挙区になってしまう。

群馬5区では、小淵恵三さんの地盤だったこともあって小渕ブランドの力は大きく、圧倒的に強いために対抗馬が尻込みしいい人材が出てこない。だから小渕さんは野党時代も通じて次点に10万票以上の差をつけて圧勝する結果になっている。選挙予想は常に◎で安泰だ。

私はハッ場ダムを民主党が反対して事業中止を訴えていた以前から取材しているが、「コンクリートから人へ」と選択を迫った時に民主党候補は出てこなかったのではないかと記憶している。ところが小渕さんの動きも鈍かった。その理由はハッ場ダムは福田さんの案件だったことが分かった。

小渕さんが選挙区にどう貢献したのか分からないが、2007年の群馬県知事選で現職の小寺さんが自民党の公認を得られず、「県民党」で立候補した時、自民党は県議の大沢さん(現知事)を公認した。その時の選対の責任者が、今小渕さんの「政治とカネ」で話題になっているキーパーソンの折田さんだったのだ。

知事選の結果は、小寺優勢の予想に反して大沢さんが当選した。

新人県知事を支えたのだから、その後、折田さんは群馬の政界の大物の地位を確保したのは容易に予想できる。

今回の小渕後援会などの政治資金の収支報告書で収支が合わない事態が発生しているが、その責任者であった折田さんは東京地検・特捜部の任意聴取で「収入の一部しか掲載していなかったことに違法性を認識していた」というニュースが流れた。単年度だけではないので相当悪質な確信犯だ。

選挙区でもないのに高崎市内に後援会事務所を構えているということは、県内に権勢を張り巡らしたいためなのだろうか。相当利権もあったのだろう。

先に、記者の取り囲み会見で「裏金づくりではしていない」「私的に使っていない」とコメントしていたが、そうとは言えない状況になってきた感じだ。

テレビの情報番組では、「小淵議員まで行くハードルは高い」とコメンテーターが発言していたが、小淵さん本人の関与があったかどうかが分からないのだ。

でも、ベビー用品、化粧品などの購入も明らかになっている。小淵さん本人ががどう認識していたかだ。記者会見では「○○○と認識している」と話している項目があったが、それが本当に違反していないのか、疑問が残る。

一部メデイアは「辞職を検討」というニュースを流すと小淵事務所は「誤報」と言う。

他のニュースでは辞職の場合は他の議員や参議院議員が選挙区を狙っていると言う。小渕さんも政治家生命をかけた決断になる。小渕の地盤を失うことになるのだ。そう簡単には決断できないだろう。

対抗馬が出にくい選挙区は民主政治に反しないか。世襲制を廃止して誰でも一から挑戦できる選挙を目指した方がいいのではないか。

















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