2014年10月8日水曜日

LEDとSTAP:人類のより良い生活に貢献したLED、功名心先行で信用を失墜させたSTAP

読売新聞 2014.10.8
LEDとSTAP、人類のよりよい生活に貢献したLED,逆に功名心先行で論文不正が明らかになり信用を失墜させたSTAP。7日はいろんな意味で日本の科学技術を考えさせられる日になった。

7日発表のノーベル物理学賞に青色LEDの開発から生産に貢献した日本人研究者3人が選ばれた。人類のより良い生活に貢献したことが受賞の理由だとしたら「新しい世界を作ることに貢献した」価値があるのだ。

一方、理研のSTAP細胞は、発表当初理研によりノーベル賞候補と囃し立てられたが、功名心だけが先行し日本の科学技術の信頼を失墜させる結果になり、同じ7日にその張本人である小保方さんの早稲田大から授与された博士論文が条件付きで取り消しになった。

この2つの出来事は私たちに今後の科学技術のあり方を考えさせる内容だった。

ノーベル賞を受賞した3人の経歴を見ると、赤崎先生は大学卒業後、民間企業の研究室に勤務、その後大学へ移った。天野先生は赤崎先生の下で大学での研究だったが、中村先生は地方大学から民間企業でLEDの研究に従事した。

基礎研究から生産までの一貫しての業績は民間企業も含めての業績なのだ。

「好きなことをやり、それが世のため人のためになる」となる研究者の醍醐味は民間企業なくしては達成出来ない。

STAP細胞も本当に存在し、開発が進めば人類に大きく貢献することが期待出来たが、なにぶんにも論文自体に大きな不正が見つかり専門家の批判に耐えることが出来ず、その存在も不確かになり論文取り下げになった。

このSTAP細胞論文不正は、日本の科学研究の最高機関である理研の暗部をさらけ出し、その改善が大きなテーマとなり、組織の縮小などが提案されているがSTAP細胞検証実験の結果がまだ出ておらず懲戒処分も先延ばしでは改革が出来るのか不安である。

ところで、今回の3人のノーベル物理学賞受賞により日本の科学研究のあり方が問題になる。

地方でも優秀な研究者が育ち(?)、決して限られた研究機関に人材と資金をつぎ込むことが大事だとは限らない。

国は、特定国立研究開発法人(正式な名称は忘れたが)構想で、限られた特定法人に人材とカネをつぎ込み科学技術立国を目指そうとしているが間違った構想ではないか。

地方の大学など研究機関にも優秀な人材がいるのだ。そういう地方の大学と民間企業が競争して新しい技術開発に進むべきだ。

国立大学などの法人化で効率的経営が必要になり国の交付金の減少が火山噴火予知などで後れを取っている批判が今回の御嶽山噴火で出て来ている。


他の分野の科学研究も同じことだ。○○村と名の付く既得権益団体が国からの予算を牛耳るやり方では地方の研究機関を含めて公平な運用は不可能だ。

これを機に、日本の科学技術の育成を根本から見直すべきではないか。

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