100年に一度の新型コロナウィルス感染拡大の国難という割には、1次、2次補正予算案で決定プロセス、予算案内容に多くの疑惑が残り予算案が国会通過し成立したとはいえ、追及を緩めたくない野党は国会延長を主張するが、いやなことを質問されたくない政権は17日で国会を閉めたいのだ。
新型コロナウィルス対策で生活支援、事業支援のための補正予算を編成したが、業務委託先、いまだ手元に支援金が届かないスピード感の無さが国会で問題になった。
国会審議を聞いていると、経産省の委託作業に問題があるのは分かるが、政府自身にも大きな問題がある。第一次補正を組んだ後、不満、不足が出てきたので急遽第2次補正を組まなければならない無計画性だ。矢継ぎ早の政策に官庁が対応できるはずがない。そこに手抜きの作業が入ってくる。
税金からの巨額な予算を政権や官僚は自分のカネのように振り分け、それに多くの関係者が利権がらみで中間に入りトンネルマージンを吸い上げる。結果的には官僚の定年後の天下り先育成にもなっている。
そこを野党が追求するのだが、中小企業庁とサービスデザイン推進協議会、電通そしてその先の外注先の甘い構造が見えてくる。
1次、2次補正と入り組んでいるので理解に苦しむが、新聞報道を見ると持続化給付金は一次で2兆3000億円、2次で1兆9400億円が計上されているが予算執行において再委託、外注の繰り返しで「中抜き」疑惑が出てきている。それぞれの段階でトンネルマージンを取られているが業務実績がないという。
サービスデザイン推進協議会は執行理事が「この種の業務では実績とノーハウを持っており、業務に自信がある」と国会で答弁しているが、野党議員が何回か事務所を訪問しているが、初回は何人かが勤務しているように見えたが、次の日は誰もいない。事務所内は真っ暗だ。
テレビの報道を見ると、専門家が事務所の光景を見て秘密保持で問題があると指摘している。使用しているパソコンの機種はまちまちで個人が持ち込んだように見えるし、スマホに接続している光景は秘密保持ではアウトだという。
要は協議会は業務をしているように見えるが、実体のない協議会のようだ。だから業務推進には電通に再委託し、電通が仕切るようになっているのだ。電通も更に外注先に発注、中には何時も外注、派遣業務で問題になるパソナがある。パソナは小泉政権時に経済運営に中心的働きをした竹中さんが絡んで何か生臭い会社だ。
更に新型コロナウィルスで何かあったときのために予備費として10兆円が計上された。政府の裁量で使えるカネを積み上げたという。野党は「使途白紙委任」と財政の民主主義に反すると反対したが、半分の5兆円に使途を示した。
国会の予算チェックという意味からも野党は国会を延長し、事前に使途を国会で審議すべきだと主張するが、安倍政権は事後承認で十分という。
ここで、通常国会の延長を要求する野党と17日で閉会にもって行きたい安倍政権が対立している。
持続化給付金の事業の民間委託関係、一律10万円の給付金の支給遅滞、GO Toキャンペーン事業の公募、予算審議でも問題だらけに加えて、河井議員の公職選挙法違反疑惑で立件されようとしている。此れには安倍総理も関与していることが疑われているしいやなテーマだろう。得意とする外交でも対ロシアでの北方4島問題、今ロシアは北方4島で開発行為を進めている。米中関係悪化も日本には関係するだろう。G7サミットへの対応が問題になる。台湾、香港で主導権を発揮したいというが対中関係をどうするのか。
国会審議での課題は多い。
それでも安倍政権が今通常国会を閉めるとなると残されたのは臨時国会の召集要求だ。
17年に野党から臨時国会開催要求がありながら3ヶ月も放置し、通常国会冒頭に解散総選挙を打って出たことがある。憲法53条に違反していると沖縄県選出の国会議員らが那覇地裁に提訴していた判決が10日に出た。
国会の召集は「憲法上の義務」であり「違憲と評価される余地がある」と踏み込んだと思われるが、当たり前の判決が出た。今回も憲法53条による臨時国会召集の請求をしたらどうか。
今の状況下で国会を休会する理由はない。
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