2020年6月18日木曜日

安倍官邸vs検察:検察が河井夫妻逮捕、これで終わりではなかろう

検察が19年の参院選で当選した広島選挙区の河井案里議員の公選法違反事件で18日午後、噂通り案里議員とその夫で前法務大臣の克行議員を逮捕したとテレビニュースが流れた。

当初は車上運動員に法定の2倍の違法報酬を配ったことが週刊文春のWEB版で流れたことが発端でその直後に夫も法務大臣を辞任する素早さだった。法務大臣に公職選挙法違反疑惑がかかることを良しとしない一抹の良心があったのだろう。

新聞報道によると100人に2600万円が配布され票の取りまとめを依頼したらしい。克行議員のPCにリストが残っていたという。ふつうこういう疑惑が報道されると関係資料を焼却、廃棄したりするものだが、なぜ残っていたのか。

捜査を始めたのは広島地検だったが東京や大阪の地検特捜部も加わり、最終的には東京地検特捜部が逮捕したようだ。

これだけ見ても検察の並々ならぬ取り組みがわかるが、背景には黒川元検事長の定年延長問題、検察人事に官邸が口出ししたことへの検察の抵抗があり、安倍官邸vs検察の構図になってきた。

昨年の参院選広島選挙区を見ると2人区、自民党現職を含め現職2人が立候補したが、安倍官邸は自民が2人を独占する策に出た。2議席独占が至上命題になり自民党から軍資金1.5億円が支給され、安倍総理や菅長官が応援に入った。ところがここには岸田派の現職も立候補し、席を争ったが自民現職は落選、官邸が応援した案理議員が当選し、後味の悪い選挙に終わった。

岸田派の重鎮だったために当選させられなかった岸田さんの求心力は落ち、ポスト安倍のポジションも怪しくなった。

それにしても法定選挙費用が決まっているのにこれだけの選挙資金をどう使ったのか、疑問が残る。

さらに通常は1500万円の選挙資金が河井側になぜ1.5億円だったのか。

おそらく安倍官邸側から自民党へ資金配布の依頼があったはずだ。誰が誰に指示したか。二階幹事長は知っているはずだが、河井夫妻の話になると「大物議員でもないのになぜ騒ぐ」と不平を言っていたが離党に当たっては「残念だ」という。

克行議員は安倍総理の側近中の側近だ。「大物議員といえるかどうか」はわからないが閣僚に任命した責任は大きい。

17日に国会閉会したばかりで、記者に囲まれ責任を追及されるシーンは避けることができた。

案里議員の秘書の公職選挙法違反事件は、広島地裁で懲役1年6か月、執行猶予5年で、連座制適用の量刑になった。

今後は、検察が自民党本部、安倍官邸の責任をどこまで追及できるかどうかだ。検察の信用失墜の名誉挽回に頑張ってほしいものだ。

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